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じんろうげーむ  作者: 塵の様なもの
ひと夏の思い出は永遠の思い出
19/22

嬉しいプレゼント

なにかいろいろとグダグダになったが、華那が楽しそうで良かった。

俺は緊張を解していた1分間ほど、華那を置いてトイレに入ったことを忘れていた。

「まあアイツなら痴漢ぐらい撃退できそうなんだけどな」

「華那、すまん。お待たせ」

いえいえと返ってくると思ったがそこに華那の姿はなかった。

代わりにそこに置いてあったのは、今日二人で取った犬のぬいぐるみだった。

「どういうことだ…?」

俺は犬のぬいぐるみを持ってみた。すると何か紙のような物が落ちてきた。

「何…?華那は俺の物だ。返すつもりは全くない、むしろこのまま…」

読むのも嫌になるほど下劣な言葉が書き記されてあった。

「くそっ!俺がトイレなんて行かなかったら!!」

こんなことをするのが誰か見当がつかない!


「どうしたんすか先輩、家の妹の華那は?」

そうやって悩んでいるときに華那の兄である恭助が俺に話しかけてきた。

「恭助?なんでいるんだ?」

「そりゃ華那の誕生日ですから、プレゼントを買いに…」

そういえば今日は彼方もとい華那の誕生日だったことを忘れていた。

「すまん恭助!華那は、少し目を離した隙に下劣な野郎に拉致られた…」

俺は精一杯頭を下げ、恭助にさっきの手紙を渡した。

「…これは、うちのクラスのガチムチ君の字ですね…陽太先輩を殴るのは後にします。先にガチムチ君から華那を取り返さないと大変なことになる」

「俺ならいくら殴られても構わない、でも大変なことってなんだ?」

俺は恐る恐る聞いてみた。

「ガチムチ君は生粋のレイパーなんですよ」

俺はその言葉に絶句した。顔が青ざめて体温が奪われていく。

「とりあえず…華那の居場所はGPSで分かったぞ、陽太先輩」

近くの廃工場だった。そこなら人が寄り付かず大声を出しても騒がれても助けは来ないと踏んだのだろう。

「もしもし、華那さんのお父さんですか?そうです水面陽太です。すいません、俺が目を離したばっかりに…華那さんを拉致られてしまいました。」

華那のお父さんは恭助と同じく『君を殴るのはその糞野郎がちむちくんを殴ってからだ。今すぐその廃工場に、5分で行くから君たちもきなさい』と怒りに声を震わせていた。



私は知らない場所で目が覚めた。

「やあ起きたかい?僕の華那ちゃん。」

目の前にいる醜い卑劣漢はガチムチ君だろう。狂気で顔が歪んでいるようだ。

「私をここから離せ!」

私は狼の力でも解けないほどの縄に縛られていた…下着姿で…

「可愛いなぁ…実にそそる…」

私の声が聞こえないくらいに目の前の卑劣漢は興奮していた。

「じゃあブラも取っちゃおうか…!」

ガチムチ君は私のブラをゆっくり、蛇がまとわりつくように外そうとし始めた。

やめて、やめて、お願い!

私は恐怖で声が出なくなり涙が出始めた。

「いいねぇ…そうその顔が見たかったんだよ!!涙でぐちゃぐちゃになる顔がさぁ!!」


私は祈るしかできなかった。もうすぐブラが取られてしまう。見せたくもない相手に見られるという屈辱を味わうことになる…

「助けて!陽太先輩!」

私は無意識の間で陽太先輩の名前を言っていた。陽太先輩なら助けに来てくれると思ったから。


叫んだ後すぐに工場の扉が大きな音をたて開いた。

「よう、糞野郎。俺の大事な娘に手を懸けるとは…人生辞める気有るんだろうな?」

そこには今までに見たこともない憤怒の表情をしたお父さんと、陽太先輩がいた。


「なんだ?俺今いいとこなんだ。おっさん邪魔すんなよ」

お父さんの忠告を無視したガチムチ君は私にまた触れようとする。

「やめて!」

今度は声が出た。怖くて怖くて声が震えていたが…

それを聞いたお父さんがネクタイを緩め狼の耳を出していた。

「忠告はしたからな…」

お父さんは一言そういうと、ガチムチ君に近づき顔を一発殴った。

お父さんは狼の力を全開まで使ったのか、ガチムチ君は工場の向こう端の壁に飛ばされ叩きつけられる。

「大丈夫か?華那、いまお父さんと陽太君が助けてあげるよ。」

一転優しくなった顔を見た私は緊張が解れて泣き出してしまった。

「お義父さん、ここは俺にやらせてもらえないっすか?」

「駄目だ。こういう汚れ仕事は大人が担うべきなんだ」

陽太先輩は渋々了承し、私を縛っている縄をはずして、服を着せてくれた。

「もう大丈夫だ。あとはお義父さんに任せよう」


そのあとパトカーが何台も来て、顔中が腫れ上がったガチムチ君を運んで警察署へ連れて行った。

「スイマセンでした!」

陽太先輩は、お父さんとお兄ちゃんに一発ずつ頭を叩かれて謝っていた。


「華那、俺はお前のことが好きだ!今日、もっと好きになった!俺と…付き合ってくれ!」

先輩がそういいながら手を出してきた。古風だなぁ…


「お父さんは反対だ。でもこれは華那の人生だ華那が選びなさい。」


私は…私の気持ちは、もう決まっている。

「謹んでお受けいたします。」


私は陽太先輩の手を掴んだ。

神「あれ?ワシの出番は?」

【次回予告】

無粋な神様。


次回で本編的なものは最終回です。足早となってしまいましたが、ありがとうございました!

でもまだ書きたい話が一つあるのでそれだけ書いて完結とさせていただきます!

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