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不可解

オーレグ地方とフィリピス地方の境界にて三万を超える大軍が足を踏み入れた。


その大軍の先頭にて馬のくつわを並べる壮年の二人の将軍、ホフマンとロゴウは敵の不可解な動きについて話し合っていた。



「偵察の報告によるとオーレグに占領中の敵が二手に分かれたそうじゃ。

一方はパーミムへ後退、もう一方はオーレグ平原へと向かってるそうじゃが、おまえはどうみる?」



老齢な言葉遣いをするホフマンの言葉にロゴウはしばしば考え込む。



「・・・・・・奇妙だな。パーミム城での籠城なら、数が多い方が有利だが二手に分かれるのは変だ。他には?」



「平原の方は数が少ないとのことじゃ」



オーレグ平原はオーレグ地方の左端にある草原地帯。

ここからパーミム城へと向かう場合はその進行方向にもある地帯である。


「俺たちよりも少ない敵がさらに数を割いてそこに布陣するんだ。ましてやあそこは周りにほとんど何もない。

足止めにしてはいささか奇妙だが・・・・・・何かある」



「敵の誘いか?」



「なら、その誘いにのってやるまでだ。

ホフマン、俺に少し兵を貸してくれ!俺がその部隊にあたる。お前はパーミムの方に行ってくれないか?」



ロゴウのまるで玩具を手に入れた子どものような態度にホフマンはやれやれとため息をつく。


「おまえはいくつになっても変わらんのう。じゃが、おまえなら大丈夫じゃろう。

一万二千をやる。すぐに合流するんじゃぞ!」



そう告げるとホフマンは部隊の再編成へとゆっくりと後ろへ下がっていった。











「随分と楽しそうですね、将軍」



突然背後から聞こえた声にロゴウは少し驚くも声を発した男を見て、表情を緩める。



「なんだ、カフカか。

悪いか?」



「いえ、・・・・・・ふっ、将軍は自分に解らないことがあるといつも楽しそうな顔をします。

それに、それに友人のホフマン将軍の前ですから今日は特に」



「そうか・・・・・・そうかもな」



カフカの言葉にわずかに微笑む。ホフマンとは入隊してからの仲であり、ロゴウにとっては数少ない友でもあった。



「ホフマン将軍は良くできた人ですね」



「まあ、あいつのじじい言葉は未だにいけ好かんがな」



ははっ、カフカと二人笑い合う。

一通り笑い終えた所でカフカはすっと顔を元に戻した。


「ところで将軍、平原に布陣しているのはおそらくレイヤー将軍と思われます」



「・・・・・・俺もそれは思っていた」



パーミム城落城を短期間で成したレイヤー。ロゴウもその存在は密かに警戒していた。


だからこそ、このような不可解な事を行うのもレイヤーではないかと疑っていた。



「ならば、尚更おもしろい!!」




カフカに微笑むとロゴウはまだ見ぬレイヤーとの対戦に興味を膨らました。

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