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太陽王の世界 ―黎明―  作者: 檀徒
◆第二章◆
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63話 逃走と新たな闘争

「盛り上がっているところすまないが、そろそろみんな一旦落ち着こう。よく考えればこれは、ただ最悪の事態を脱したに過ぎない。魔龍には敗北し、風王家もユウチ宰相もヤマタイ国主も、みーんな逃げちまったってわけなんだ。とりあえずみんなも座ろう。隠密の皆さん、彼らの情報は入っていますか?」


 胴上げから下ろされた後、俺は疲れきってしまいその場に座り込みながらんだ。しばらくは平気だったが、加護流の無理な搾り出しによって、筋肉が微小単位でところどころ断裂しているので気が抜けると激痛に見舞われるのだ。そのあまりにも弛緩した雰囲気に釣られて興奮が解け、気が抜けていく者たちが次々と座り込んでいく。皆、俺の言葉を静かに聴こうとしているのだ。俺はみんなの苦労に応えるために、笑顔で問いかける。


「……風王城から西に向けて飛空船がたった今、2隻飛び立ちました。航路からしてヤマタイ行きかと思われます。カケル様、どうやらあれです。おそらくこんなときのために準備していたのでしょう」


 隠密の一人が耳に手を当てながらどこかと連絡を取り、北の空に指を向けるとそこには言われたとおり2台の飛空船がヤマタイの方へ飛んでいくのが見える。あれに今干渉すると、加護で撃ち落されるだろうな。こちらは何も準備ができていないので、熱くなって追ってしまうのは危険だ。


「あー。逃げちゃったか。ハハハ、やられたなあ。映像も見られてるよねこれ? みんなに申し訳が立たない。それでもユリカを取り戻せたのは最大の幸運だ。今回は闇の加護というものが、どれだけ加護流を圧縮したものなのかがよく分かった。ユリカはとんでもない力を使ってたんだな。さすが賢者だと思ったよ」


「う、うん…ありがとうカケル。まだ死んだ実感があんまり涌いてないよ、夢みたいで。でもカケルが生きていてくれればそれでいいの。カケル…なんだか人が変わってない?」


「ん? そうかな。ありがとうユリカ。結局死なせてしまったのは俺の力が足りなかったからだな。いてて…誰か申し訳ない、体中の筋肉が断裂したみたいなんで、加護流が残っている人がいたら回復をかけてくれないか? 気絶しそうだ。髪も…ああやっぱり真っ白か。戻るのかなこれ?」


「あ、そういえば痛そうにしてたね! 私が治すよ。…ああだめか、私の加護も足りない。水の加護持ってる方がいたら一緒にかけてくれませんか?」


 アイカルが静かに右手を俺に差し向けるが、青い加護流は僅かに出るだけですぐに切れてしまう。すぐに周りの何人かが立ち上がって、近衛兵も数人が同時に回復加護を注ぎ込んでくれた。数人がかりだから体の中から染み出すような痛みはすぐに和らぎ、消えていく。


「ありがとうございます、みなさん。もう痛くなくなりましたよ!」


「髪は治りませんね…いえ、このくらいのことはいくらでも!」


 そうにこやかに答える男は、観客たちだったのだろう。そしてまた、先ほど座っていたあたりへ後ずさって戻り、今度は座らずに跪く。気がつけば皆、姿勢を正して膝を地に付け、俺を見つめている。ああ、そういえば宣言も何もしていなかったな。俺が立ち上がろうとすると、すぐ横で右手を伸ばしかけていたアイデインがそれを引っ込める。危ない、少し遅ければ手刀の餌食になっていた。太陽王としての挨拶ぐらいちゃんとしろということだな。


「えーと皆さん、遅ればせながら」


 皆俺の顔を見つめることをやめ、頭を下げていく。だけどね、それは間違いなんですよ皆さん?


「第三代太陽王、カケル=ヤマトと申します。隠していてすみませんが、暗殺を狙っている者がいたのでやむを得ずこうなっちゃいました」


 なんだか腑抜けた挨拶になってしまうが、俺の気が抜けているのだから仕方ない。威厳もくそもないが、別に肩肘を張る必要は無いのだ。マスタとアイデインが頭を抱えているが、俺に威厳を求めたってもう無駄だ。俺はこのままでいいのだ。そう、これでいこう。今の俺には、こういう態度こそが太陽王の正しい形なんだと分かる。


「俺は太陽王ということになりますが、断言します。俺は偉くもなんともありません。皆さんの下僕だと思ってください」


 その言葉に、俺の気が触れたのかと全員が驚いて目を瞠る。いいや、これこそ太陽王なんだ。さっきやっと分かったんだよ。


「あー。説明します。太陽王として威厳のある態度というのは、無駄です。無用の長物です。何故なら太陽王は民衆のために力を尽くす者だからです。俺も先ほどまで勘違いしていましたが、あの加護の圧縮過程で気づきました。自分は皆さんの御用聞きみたいなものなんだと。」


 あまりに予想外の言葉なのか、誰もがその言葉を信じていない。


「それじゃあ太陽王として命令していいですか? 様づけで呼ぶのはこれから禁止します。俺を王として扱わないで欲しいんです。皆さんは友達です。だからみんな、立って立って。同じ人間だよ。神なんかじゃない。か弱い、一人の人間だし、まだ力の足りない若造だよ。みんなで協力しあおう。そしたら、きっと災いも解決できるよ。さっきの胴上げだって、自然に涌きあがって来た気持ちでしょ? 太陽王って、それでいいんですよ。堅苦しいの苦手だしね」


 そこまで言うと、歴史の伝承の中にあった太陽王たちの行動原理が、それぞれの頭の中で俺の言動と結びついたようだ。次々と立ち上がり、俺の手を取って笑顔になる。そう、太陽王とは、誰よりも民のために働く者だったのだ。人類を救う心というのは、高尚なものなんかじゃなく、このような普遍的なものだったのだ。俺も、えらい勘違いをしていたものだ。


「ここにいる人たちは、もう友達だよ! ありがとうみんな! 問題もまだ山積みだけど、手を合わせて解決していこう!」


「おう!」


「やりましょう!」


「微力ながら手伝いますよ!」


 俺はユリカとトレノだけじゃなく、すべての人を好きになることができるようになっていた。そう、人間そのものを愛しているなら、必ずそれを助けるための力を太陽が貸してくれるのだ。それが、必要とされていたものだったんだ。


 すっかり吹き飛んだ雲は遠く地平線の向こうへ逃げ去り、午後の明るい太陽の日差しが俺たちを暖かく照らしてくれていた。





「じゃあ会議を始めようか!」


 太陽王の即位について緊急で会議をしなければならなくなった俺たちは、映像を見てその後王城からすっ飛んできたシスカ王たちに連れて行かれ、そのまま王家楼にぞろぞろとやってきたのだ。御前加護戦はおそらく中止扱いになって、賭け金は払い戻しされるだろう。その方がダイムー観光社には赤字が出ないで済む。


「カケル… そのほうがむしろ太陽王らしいね…」


「うむ、王家に伝わる太陽王の姿そのままじゃ」


「ん? やっぱそうだろ? で、議題なんだけど」


「無性に付いていきたくなる感じが… それって伝承にもあるよね。つい、太陽王に出会った人がつき従いたくなってしまうっていう…」


「ユリカもそういう感じがしてるんだけどな? 賢者らしいというか。ところで会議は?」


「確かにユリカもそうなのだ! 賢者は皆そのような資質を持っているのだ」


「そういうトレノだってそうだべ? そういえばトレノの加護は何だべ? どうしてその魅力性がある?」


「そういえば、まだ適正試験は受けたことがないのだ。王族女子は適正試験とは縁が無いのでな」


「ん? そういえば黒水晶の間には、行ったことあるよな? 隠れて見てたときとか。で、会議…」


「そうなのだ。そのときは何にもなかったのだ。黒水晶にも近づかなかったし…そういえば妖精さんみたいなのが我の右手に乗って消えたのだ」


「む? なんじゃそれは。トレノお主…」


「それはやっぱり」 「発現してるね」 「何色だったの?」


「えーと、たしか色がなくて、白くも黒くもなかったぞ。何色だったかのう」


「殿下、ちょっとさ、みんなで黒殿に行ってみようよ。どのあたりでそれが起きたのかトレノに思い出してもらおうじゃないのね?」


「ああ、そうだね。トレノもいいかい? アザゼル近衛兵長も連れて行こう。アイデイン、頼んだぞ」


「……」


「うわっ、アイデインいたのね」


「ある意味、これも会議か…」


「アハハ、新しい議題じゃないか」


 もう無茶苦茶だ。だが腑抜けているわけじゃない。みんな自然体なのだ。12人の円卓の騎士たちは、突如発生したトレノの加護種別の判定に夢中だ。みな口々に言いたいことを言うから、会議にはなっていないが方向性だけはある。考えないといけないことは多い、黒殿に座り込んで車座になって会議というのもいいだろう。


「こんな道があったんだねぇ…」


「ああ、内緒だぞ」


 感心しているエイルキニスへ、マスタは人差し指を縦に唇に当てて、これが秘密の抜け道であることを伝えている。だが普段からおどけているマスタが言うと、どうにも説得力が無い。そういえばこの2人が結婚するのかどうか、まだ結論を聞いていなかった。クマソたちの結婚式もまだだ。ここのところ忙しかったのだから仕方があるまい。


「フォッフォッ、じゃが、一度に知った人数が多すぎる。秘密もへったくれもないわい」


 秘密の抜け道もこれだけワイワイと大人数で通ると、なんだか遠足にでも来ているようだ。これが、緊急事態が発生した直後の王家の者たちとは、誰も信じられないに違いない。だが、これこそが平常心、柔らかい頭の状態でいれば良い考えが浮かぶのだ。


「これでトレノが特殊加護だったら、話が面白くなる」


「木星行きにも何か関係が出てきたりしてね」


「あ、そこなのだ。我はカケルが来るのを待っている間、そこで寝ちゃったのだ」


 黒殿に着いた後、すぐにトレノが指を差した場所は、黒水晶から30メートルも離れた柱だった。


「30メートル…」


「それは予想外だべ…」


 エイルキニスとクマソは黒水晶の方を見て、その中に流れる意識へ、一体何をしたのだと問いかけているようだった。


「で、色は思い出せるかい?」


 マスタがトレノの頭を撫でながら、優しく聞いている。マスタの方が年下のはずだが、兄のようだな。


「うーん。霧のようなモヤモヤした色で、よく思い出せないのだ」


「アハハ、それが色だってば…。霧か、初耳だな。聞いたことはあるかい爺様?」


「フォッフォッ、わしを誰だと思っておる」


「隠密団団長、情報の王でしたね! ではどのような加護なので!?」


「フォッフォッ、わしにも分からん。ぐふぉぁっ!!! アイちゃん、それはちょっと強すぎじゃ…ゲフッゲフッ」


 つまらないボケにはアイデインの手刀が飛ぶということを、すっかり忘れていたに違いない。





 しばらく皆、無言でトレノを見つめる。トレノは先ほどから加護が出せないかと実験してみているのだが、一向にその気配は無い。


「トレノ、加護はちゃんと自分の力の特性を想像して、それを体の中から涌き上がらせないと出てこないぞ?」


「む? そうなのかカケル? 我の特性…うーん、なんじゃろう。料理?」


「それは後天的なものじゃ。誰からも教わらなくても感じる力というのが特性じゃ」


「では、我の特性は予知夢ではないか?」


「そうじゃ、そうじゃったわ!!!」


「ちょっとおじいちゃま、唾が飛んでるよ~」


 少し興奮しだした爺様をミューがたしなめている。こうしてみると先王もかわいいものだ。そしてまたアイデインに手刀を喰らいそうになっているが、今度は予期していたらしく、するりと避けてしまった。


「…」


「そう何度も喰らうもんでもないじゃろう。トレノ、お主はカケルの出現について、11年前からはっきりと姿が見えていたのじゃったな」


「そうなのだ。顔までくっきりと見えていたのだ」


「じゃあトレノ、今日の夕飯を食べている俺を見ることはできるか?」


「む、カケルの未来を見るのか? よく分からぬのだが、今日の夕方を意識すれば良いのだな」


 トレノが目を瞑り、必死に思い浮かべようとしている。すると、俺の肌にざわつきが感じられ始めた。この違和感は強い加護が発現するときのものだ。つまり、これはうまくいく。


「うーん、見えたのだが、どうもはっきり見えないのだ。もやもやしているぞ?」


「もっと強く見てくれないか」


「うむ! むー…。はっきりと…。見せるのだ…」


「お?」


 トレノの体から霧が噴出し、トレノの顔の手前で固まりとなる。その中に、俺が飯を食っている姿が映し出される。


「できてるよトレノー!」


「おお! これが加護か! なんだか血が沸騰したみたいなのだ」


「爺様、これは何と名づけますか?」


「霧でいいじゃろう。霧30、霧の賢者じゃな。これは時空加護と精神加護の中間じゃろうな。両方の力を混ぜたようなものじゃろう」


「トレノまで賢者か…」


「霧の…賢者…?」


「我が賢者か…全然響きが似合わないのだ…」


 そう、呆れたことにトレノは俺たちより加護量があるのだろう。30というのはもう破格だ。偶然の産物なのだろうが、発現したものは発現したものとして取り扱う必要がある。


「じゃあ、これも発表してしまうべ。霧の加護発現、太陽王は2人の賢者を娶りますと。んですぐに即位式だべ。カケル、おいら、マスタの3組とも一緒に結婚だべ?」


「ああ、それなんだがね」


 クマソの提案にマスタがにこやかに返事するが、含みを持たせる。ん? 何か問題があったのか?


「エイルキニスとはまだ、欲しい子どもの数について議論していてね」


「「「さっさと結婚しろ!」」」


 見事にみんなの声が重なった。子どもの数なんて結婚してから決めればいいじゃないかということだ。うん、みんなの気持ちはひとつだ。あとは即位に関することや紙伝に載せても良い内容を決めていくべきだが、ここまで大きくなったならもう全部ぶちまけてしまえばいい。





 ――第三代太陽王、出現される


 昨日6月14日の御前加護戦中に起きた魔龍出現の折、戦闘中に死亡した闇の賢者ユリカ=カノミ一級騎士を介抱していた、カケル=ヤマト三級騎士の身に太陽神が光臨、ユリカ騎士を特殊加護で蘇生させるために6属性の力を発揮。特殊加護はユリカ騎士の蘇生を成功させ、その様子は当紙記者により映像撮像機によって世界中へ同時中継された。カケル=ヤマト三級騎士は2122年ぶりの太陽王で三代目。即位式は6月21日午後、ダイムー中央広場にて行われる予定。


 ――闇の賢者、死亡状態から蘇生、ただし魔龍の危険は消えず


 魔龍は一度戦闘を行っていたユリカ=カノミ一級騎士に固執、御前加護戦で一時的に疲労していたユリカ騎士は敢え無く致命傷を受け死亡した。その直後、ユリカ騎士の幼馴染で執事長、および騎士団副団長のカケル=ヤマト三級騎士が太陽神の光臨を受けて覚醒。4属性の光を発した後、それを一つにまとめ光の加護へ収束し5属性目を発現。さらに光の加護を高度圧縮し6属性目として闇の加護を発現させ、ユリカ騎士が死亡する前へ時間を戻し、蘇生に成功した。ただしユリカ騎士に致命傷を負わせた、推定30キロ魔獣の『魔龍』は、ユリカ騎士に攻撃を加えた後に現場を離脱、成層圏へ逃亡した。そのため現在も魔龍警戒警報は発令中のままとなっている。


 ――トレノ=ダブス内親王、霧の賢者と認定、距離は30と破格


 中央王家は昨日、シスカ=ラー=ダブス国王陛下の長女、トレノ=ダブス内親王に加護が発現したと記者団へ発表した。加護種別は霧で、これまでにこの加護種別を発現した者はいない。加護特性は予知で、現在トレノ内親王は騎士としての特別授業を受講。なお、太陽王が出現されたため、トレノ内親王は太陽王へ輿入れを行うのが慣例となっているが、中央王家では現在協議中の模様。


 ――中央王家と太陽王、闇の賢者および霧の賢者との婚姻を発表


 中央王家と太陽王は昨日、即位式に向けて婚姻についての決定内容を発表した。それによると従前より太陽王カケル=ヤマト陛下は闇の賢者ユリカ=カノミ一級騎士との婚約を固めていた模様で、綿密な会談によりユリカ騎士および霧の賢者トレノ内親王(特例一級騎士へ昇格予定)も、ともに正妻とする異例の扱いを発表した。なお、これにより初代太陽王および二代目太陽王の血統はこれで4024年続き、さらに三代目以降にも受け継がれることとなる。


 ウルに勤めている物流会社の会社員(38)は本紙記者の質問に「慣例もあるのでどうなることかと思っていたが、丸く収まってよかった。これですべてうまくいくはず」と喜びを隠さない。またカイザ在住の主婦(28)は「お2人とも幸せになって欲しい。末永く三代目の世が続くように祈っている」と、両賢者を祝福し太陽王の末永い治世を祈っていた。


 ――魔獣生成容疑により風王家継承者他3名に逮捕令状発布も、逃走


 ダイムー警備隊は昨日午後、国家の重要人物に異例の逮捕状を発布した。即刻確保に動いていたが、御前加護戦の魔龍出現によって被疑者4名は逃走した。警備隊によると被疑者は風王家第1継承権保有者ウイング=ダブス氏(31)、コーエン=ユウチ宰相兼火星開発大臣(52)、デイルセイ=セルビオ大蔵大臣(50)、コライド=ユウチ火星自治区マズル市長(49)の4名で、被疑内容は魔獣を人為的に生成した容疑。生成された魔獣は11年前の2105年に出現した魔龍、および今年5月のサルイイシコトラウ砂漠に出現した10キロ級の魔獣。


 なお、11年前の生成は今回太陽王と認定を受けたカケル=ヤマト陛下の父、タケル=ヤマト特級騎士がその魔獣により殺害されることを見越した生成と見られ、サルイイシコトラウ砂漠に出現した魔獣も闇の賢者および太陽王カケル=ヤマト陛下を殺害するため、蜥蜴のような生物に虹色水晶を取り込ませたものと見られている。回収された虹色水晶には数名の指紋が付いており、警備隊によって検出された。警備隊では、先日アトラタス大島にて行われた課外授業中に、魔龍に襲われたと見られ死亡した人物の中に、この指紋と一致する者がおりこれが実行犯であったと断定できる証拠だとして、魔龍が操作されている可能性を指摘している。今後も魔龍の活動には十分に注意する必要があるため、市民は警報や風伝には速やかに従って行動することを求めていた。


 また、今回逮捕令状が発布された4名はいずれも飛空船でヤマタイへ逃走しており、ヤマタイ国主オロチ=ミコト=ヤマトもこの事件に関わりがあると見られている。現在のところ外務大臣より質問状が送られているがヤマタイ国から返答が無い状況。





 いろいろと雑多な情報も混じってしまったが、ここまで紙伝に書かれればもう、彼らに逃げ場は無い。魔龍には負けたが、情報戦は俺たちの勝ちだ。しっかし大事になっちまったな。こんな風に即位するつもりじゃ、なかったんだけどな…。


しかしカケル君、そうはいかんのだよ(´Д`;)

むしろここからが大変なんですね。

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