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人はきっと、誰かに救われながら生きています。
大きな言葉じゃなくてもいい。
たった一言。
たった一つの優しさ。
それだけで、生きようと思える夜があります。
この物語には、“運命を書き換える力”が登場します。
けれど本当に描きたかったのは、魔法みたいな奇跡ではありません。
苦しみながらも誰かを想うこと。
忘れたくないと願うこと。
誰かの痛みに手を伸ばそうとすること。
そんな、不器用で優しい人たちの姿です。
もし今、少しだけ苦しくて、少しだけ疲れているなら。
この物語が、あなたの心へ静かに寄り添えますように。
『時雨堂に、雪は降りつづく』
どうか最後まで、見届けてください。
「そんなの絶対嫌!」
雫は玲の腕を掴む。
「なんで玲が消えなきゃいけないの!」
玲は困ったように笑う。
「俺は慣れてる」
「慣れてるとかそういう問題じゃない!」
涙が溢れる。
玲が消えるなんて考えたくなかった。
その時。
頭の奥に、小さな記憶が蘇る。
雨の日。
時雨堂。
初めて会った玲。
『君、自分の未来を知りたい?』
胸が締めつけられる。
いつの間にか。
玲は、自分にとって大切な存在になっていた。
「嫌だ……」
玲はそっと雫の頭を撫でる。
「雫」
その声は穏やかだった。
「お前には、生きてほしい」
雫は首を振る。
「玲も一緒じゃなきゃ意味ない!」
玲の瞳がわずかに揺れた。
だが次の瞬間。
書庫主が再び咆哮を上げる。
深層書庫が完全に崩れ始めた。
時間がない。
最後まで『時雨堂に、雪は降りつづく』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、“救うこと”について考え続けた作品でした。
誰かを助けたいと思うことは、とても優しくて、同時にとても苦しいことです。
全部を救いたい。
誰も傷ついてほしくない。
そう願っても、現実は簡単ではありません。
それでも、人は誰かを想い、支え合いながら生きていける。
その小さな希望を、この物語に込めました。
雫が最後まで失わなかったものは、“人を想う心”でした。
そして玲たちもまた、誰かを忘れずに生き続けました。
人は、誰かの記憶に残る限り、きっと消えません。
もしこの物語の誰かが、あなたの心に少しでも残ってくれたなら。
それが、この作品にとって何よりの救いです。
あなたの明日が、今日より少しだけ優しいものでありますように。
本当にありがとうございました。




