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10歳から11歳。

たったの1年で防御魔法が見えてきた事はいい事だ。

なんなら早いくらい。

といっても、ぽいというものだけど。

あと、今は氷魔法で実験をしているが、時には土や水なども使っている。

他の属性でやってみると結構収穫がある。

防御魔法もどきは波の密度が大事だ。

水での防御魔法もどきはとにかく難しい。

水は動きを弱める事はできるが、薄いとどうにもならない。

シャボン玉をイメージしてくれるとわかる。

すぐにパン。

分厚いと疲労度が違う。

属性により得意不得意はあるのだろうけど、やっぱり全属性の防御魔法があった方がなんかカッコよくない⁉︎


と、考えはするが、効率を考えると水で防御魔法を使う時は何かひらめきを求める時のみだ。

難易度高いのは一旦先延ばし。

時間がないならすぐできるものを先にやるべき。


「ミラ、疲れはどう?」

「だいぶ取れました。最近思ったのですが、こんなに大きな物作って、これほどの疲れで終わるのって成長なのでしょうか」

「んー、魔力量が増えたのか、それともコントロールが上手くなったのか…」

「魔力量とはなんです?」

「魔力量は波で言うところの水だよ。水がないと波は見えない。見えない波うーん…音波とか周波数ってやつはよくわかんないしこの世界にそこまで技術発展してないから、この説明でなんとなく分かるでしょ」

「オンパ、シュウハスウ…本当によくわからないですね。でもなんとなくわかりました。でも、見えないとダメなんです?私には波は見えませんが…」

「感じではいるでしょ。魔法を使う時波を使ってる。魔力の流れを感じてさ」

「なるほど」


私にもっと語彙力があれば伝えられたんだろうな…

でもミラはやはり天才だ。

魔法も私より上手で、理解力も高い。

さすが、うちのメイド。


「これ、本作ったら売れますよ」

「アル兄様がすでに作ろうって言ってくれたけど、私たちって努力してここまで魔法使えてるけど、他の人はやっぱり疲れて諦めちゃうからさ。売れても使われないってのが嫌なんだよ」

「アンジェ様は使われて欲しいのですか?」

「うん。こんなに便利なもの、疲れるって理由で衰退しそうなの、放っておけないし」

「アンジェ様は素晴らしい方です」

「前世で魔法が輝いて見えたってだけだよ。当たり前じゃなかったから」

「それでも、努力していらっしゃる。自慢の主人です」

「よし私ミラと結婚する!!」

「それは勘弁してください」


ミラに抱きつくが、簡単にあしらわれるようになった。

9歳の子供だというのに、なんて器用なんだうちのメイド。

最近じゃ、ミラの妹もたくましく父と同じ貴族のメイドとして働き始めたらしい。

すげぇ。

小学生だぞ小学生。

あなたたちも前世の記憶かなにかあるんです?って感じ。


「さて、そろそろ始めようか。時間かかるけど、土を水で固めるってのは前やって、ただの薄い壁ができた。それでもいいけど、防御魔法じゃなくてただの生成。どうしたら…」

「やはり、瞬時に作り出せれば防御魔法と呼ぶのでは?」

「いやいや、脆いんだよ。分厚くは疲れるから使い物にならないし。うーん…」


魔力量を増やす、それがよくあるテンプレだ。

だけど、そう簡単な事じゃない。

下手したら別の属性になったり、疲労度が高かったり。

人が無意識に出したい属性の魔法が使えるのは慣れであって、研究において新しいものに触れていく。

そりゃ色々試すから別の属性になってしまうのも無理はない。

魔法について厄介な世界だまったく。

魔法はイメージだとか、そんな世界がよかったなー、創造主。


「まず、土と水は火と氷のように逆な波。難易度が高いのは当然ですし、一般的に使われたいのであればそれは至難の業ですよ」

「そりゃそうだ。これで考えても意味がない、か…」

「防御属性とかあったりするのかな」

「可能性の一つとしては」

「また遠征について行こうかな…魔物の防御魔法についてもっと調べたい…次の遠征ってどこだっけ」

「海辺です」

「海かぁ…防御魔法を使う魔物少ないんだよなぁ…」


海の魔物は基本的にスピード重視。

結構厄介で、船で戦うのは難しく、浅瀬にいる魔物しか狩る事はできない。

海は陸地と違い、大きさが大きい割に早い。

早いから防御に長けているわけじゃない。

いや待てよ。


「魚の鱗…」

「鱗?」

「ちょっと待ってね。考える」


鱗、鱗ってどんなだ?

料理なんてした事ないからわからない。

丸っこくて、透明で、うーん…


「ねぇ、魚捌いたことある?」

「ありますよ。鱗でしたっけ、包丁で鱗の流れに逆らって取ります」

「なんで鱗ってあるの?」

「外敵から身を守るとかですかね。すみません、水辺は魔物が多く、資料となるものが少ないのです。漁業者も危険な仕事で調べる時間すらないので…」

「謝らなくていい。当然のことだから」


身を守る、鱗が。

鱗の波に乗る。

いや、全然イメージができない。

魚の調査誰かしてくれないかな…

あらゆる漁業者にでも聞いて知ってる人でも探そうかな…


「よし、ミラ決めた。遠征についついこう!」

「えっ、怒られますって!」

「えっ、さっきは教えてくれたのに?」

「いや、海がこの世で1番危険だってこと、アンジェ様は知っていらっしゃるでしょう⁉︎それに、前回の海で終わりって話をアルフリーヒ様とお約束なさったでしょう⁉︎」

「え、知らない」

「アンジェさまぁ!!」


善は急げ。

絶対にアル兄様を落とす!

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