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なんたら現象っての、流行ってあったな。
片栗粉と水でできるやつ。
あれを波に乗せるとどうなる?
波乗れる、けど、防御とどう関わる?
攻撃を受けそうになった時、人は反射的に瞼を閉じるという。
波も反射的に動くだろうか。
いや、ずっと防御魔法を発動していたい時とかそんなことできない。
ずっと固める、お湯?
いや、波に温度はない。
反射に頼るのは危険すぎる。
鱗、片栗粉、
鱗といっても、逆さに削ると取れてしまう、弱い。
片栗粉のなんたらこんたらも、軽くだと弱い。
どっちも弱い。
強い防御が欲しい。
強いもの、鉄?
鉄の波は確かに穏やかで、熱しても激しくはならない。
強いは、波の一定?
魔法を使ってる間、波は一定か?
いや違う。
外の波とも繋がらないといけないから、一定を保つのは難しい。
風が吹けばその風の波も取り入れて使わないといけない。
それの無視?
いやいや、そんなこと、は…
やったことがない。
だって、精度を上げるには取り入れた方が良いから。
まず、取り入れて使うのは結構難しい。
けど、魔法というものは簡単なものならありふれている。
魔物だって防御魔法を使っている、こんなに難しいことをしているのだろうか。
取り入れるのを無視。
とにかく、外の波を無視して、自分の波を固くする。
片栗粉、そう、柔らかくて固い波に乗る。
鱗のように、逆らってはいけない。
それだと弱いから。
魚のように波に逆らうイメージ。
「風、魔法、防御、よし」
この時の場合は風でやった方がイメージがしやすい。
風は柔らかい?
当然だ、柔らかくて固いんだから。
生成とそう変わらない。
変わるのは、完全に外の波を取り入れないこと。
それはそれで難しかったりする。
自分の感情をコントロールしなければならないし、自分の波を熟知しないといけない。
でも、私はもう2年も自分の波と関わってきているし、こうして、私の右手にも風の波が出ているんだから。
すぅっと息を吸う。
もしかしたら行けるかもしれない、そういった興奮を鎮めるために。
素早く固く乗るんだ。
そうすると、ほら、見えた。
「っ!これは、」
「兄様、出来た。私、防御魔法、出来ちゃった…」
ただ、1匹の亀を閉じ込めただけの防御魔法。
内側を固くしたため、どんな攻撃でも防いでいる。
初めてにしては強い。
風が防御って、普通に考えたらおかしい。
けど、とても綺麗だ。
風がゆるやかに吹いている中、絶対に出ることができない亀。
少しかわいそうな気もするが、討伐対象だ。
その魔法を解くと同時に、アル兄様が殺した。
「おめでとう、アンジェ」
「って言うことで、兄様、約束破りますね」
「は?」
「ちょっと待て、アンジェ。もしかして、おいブラフベッド!アンジェを捕まえろ!」
「え?」
「ごめん兄様」
疲れ削減のために、小さく防御魔法を使う。
階段のように空気中に作り、そこを走る。
疲れているのは、体力が関係しているのでは、と毎日走り込みとかしていてよかった。
他人から見たら、空を走っているように見えるだろう。
みてやがれ、これが魔法だ。
疲れは半端ない。
が、いつもの比ではない。
あのイカが船を動かしているのを遠くで見てしまったら、私はそうするしかないと思った。
「ごめんね、兄様。また心配かけるかも」
大きく船を揺らすイカ。
まるでおもちゃのように遊んでいる。
そんな中、一本、一本とフェル兄様達が切っていくが、すぐに生えてしまう。
魔物の弱点、そんなの知らない。
魔石?
そんなのこの世界では人間が作るものだ。
500メートルというのは、なんともまぁ、学生時代を思い出す。
この世界に100メートル走なんてないから。
それに、学校って言っても、もう少し大きくなってからじゃないと、入れないから。
あと少しで船、と言うところで止まった。
腕の波が左手にまで来ているのが見える。
あんなに走りながら使ったのは初めてで、2つの疲れが同時に来ていてよくわからなかったが、私の顔はもうすでに黒く染まっているんだろうな。
いつもだったらすでに休んでいるぐらいの進み方。
疲れがひどくて、目がクラクラする。
でも大丈夫。
そこにいる第1王子を信じれば良いんでしょ。
「フェル兄様!」
「えっ、アンジェ⁉︎」
「うそ、なんで空に…これも魔法かい?」
「後で拾っといて!」
「は⁉︎」
攻撃魔法なんて、まだ研究したことない。
けど、雑に考えれば、いい。
防御魔法が自分の波に乗るんだったら、逆らえば良い。
これが攻撃魔法なら、分かることがある。
防御魔法は他の波を遮断し、自分の波を固めること。
攻撃魔法は他の波を遮断し、自分の波を柔らかくすること。
波の性質を変えるわけなため、練習が必要だ。
魔法にもきっと相性がある。
今度の研究はこれがあっているのかどうか。
そして次は、生成をした上での攻撃魔法、かな。
攻撃のつもりで作る魔法と、生成のつもりで作る魔法もきっと違うものだから。
「海の生き物って、多分熱に弱いんでしょ」
激しい波に乗る。
固く素早い風の波に乗りながら。
二つ同時に波に乗るのは集中力が必要で、すごく疲れること。
固く、が含まれているせいでより難しい。
でも、全力で乗ってやる。
私の深くて激しい波に、どうぞ呑まれて。
大きな光の球体。
それは熱くて、近くにいれば火傷するほど。
けど、これが世界で初めての攻撃魔法だ。
そこにいた者は皆口を揃えて言った。
あれは神の卵のような光であったと。
この年は、のちの魔法史に刻まれる。
防御魔法と攻撃魔法の誕生。
そして、アンジェ=バレリアンの名が歴史に姿を出し始め、魔法の発展が始まる年となる。




