表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/18

第3話 食べること。

リーゼ様は今朝も元気にぴょんぴょん跳んでいる。まあ、今のところ、地面とそんなに離れてはいないが、、、、

杖を2本使って歩くのにも慣れてきたようなので、きちんとした歩き方を指導する。


「下を向かず、常に前を見て。胸を張って。踵から降ろします。踵から降ろした足が、地面を踏んでいきますよ?そうそう!手は大きく振ると、あら不思議、足も前に出やすくなりますからね。」


「下を向かず、、、、常に前を見て、、、、、胸を張って、、、、」


呟きながら、お嬢様は黙々と歩いている。


歩き出してから、早、一週間。当初はひどい筋肉痛になったが、彼女は止めなかった。股ずれは、擦れる部分に、タオルを縫い付けてみた。杖を握る手のひらも水膨れになった。持ち手に皮を巻いていたのだが、もう一枚巻いてみた。あまり太いと握りずらいので、ぎりぎり。


早朝の運動の後、朝食は粥。今は、少なめの柔らかめの普通食になった。



*****


「ど、、、、どうされましたか???」


ベット脇で蹲るジーク様を抱え起こす。側付きの騎士を大声で呼び、ベットに戻してもらう。


「・・・・・」


「ははーん、、、いきなり立とうとしましたね?あせってはダメですよ?」

「・・・・・」


少しやる気が出てきたのか?まあ、それが早く王城に戻るためでも。


「では、今日から、まず、座る練習を始めましょう。」

「座る?」

「ええ、そうです。座るには、いろんなところの筋肉を使うんですよ?日頃は意識しませんけどね。」

「・・・・・」


長いこと開けていなかった分厚いカーテンを開く。

外はもうすっかり秋だ。紅葉が朝日に照らされて綺麗だ。


朝食前に、部屋の模様替えを済ませる。

ベットは窓際に。ベットの足元近くに、執務用の長机を横にして置く。本当は手すりが理想だが、、、今だけだし。


長机の先に、食事用のテーブルと椅子を置く。椅子は頑丈な、両側に手すりが付いたものを運び込んでもらった。


「まず、ベットから足を下ろしてみましょう。」


側付きの騎士に上半身を支えてもらいながら、そっと足を下ろす。すかさず、背中部分に枕を詰め込む。


「足の裏が全部床についている感覚はございますか?」

「・・・ああ。」

「ではこのまま、いつもの運動をいたしましょう。上半身が安定しませんので、支えてもらったままですが。」


手を前に真っすぐ出して、グーパー。足の指は、床に着いたままでグーパー。これは一人で。

片足を伸ばして、足の甲の曲げ伸ばし。これは支えて。


「何事も、少しづつですよ?」


今日から早速、テーブルで食事をとるよう段取りする。

手すり付きの椅子なので、ぐらついてもある程度は大丈夫。座っている間に体のバランスを取るのもさりげない筋トレになる。まだ歩かせるのは不安なので、騎士に頼む。


「今日は椅子に座って、食事、そのあと、お茶も座ったまま。退屈でしょう?本とかご入用ならお持ちしますが?」

「・・・・いや、、、、、いい。」


別荘に来てから様子を見ているんだが、、、、どうも、、、、何の気力もないらしい。まあ、、歩けないかも、と言われた18歳の青年だと思うと、同情に値する?かな?

本当に歩けなかったとしても、残った機能はフルに使って、日常生活は送りたい、そう思うには、もう少し時間がいるか?


ジーク様は、用意した椅子に座り、難なく食事を始めた。

今日は、スクランブルエッグにフランクフルト、温サラダ、丸パン。ジャガイモの温かいスープ。ほぼ庶民の朝食のようだ。あっさりめにしてもらっている。


今頃、リーゼ様も同じ内容で、同じ量の食事を召し上がっているはず。

最初のころ、粥の少なさに涙ぐんでいたから、、、、いきなりは無理だったか?と、心配したのだが、ジークがこれしか食べないことに愕然とした涙だったらしい。


大公殿下には口出し無用と釘をさしてあるので、差し入れもない。

屋敷付きの侍女によると、毎日のようにケーキの差し入れがあったらしい。


「その差し入れを、美味しそうに食べるお嬢様を見るのが、旦那様の楽しみだったのです。」


そう、、、、そうして、白むちのお嬢さまが出来上がったわけだ。

大層かわいがって、あれは危ない、これは危ない、と、運動らしい運動もさせなかったらしいなあ、、、、ダンスの練習はジーク様とやっていたようだけど。


さて、、、、どうしたもんかなあ、、、、








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ