番外編 第二王子とマリエの場合。
「いいわよ。」
「いいわよって、、、お前、、、そんな、、、猫の子貰うわけじゃないんだから!」
「あ?じゃあ、嫌だって言えばいいの?」
「そうじゃない!」
アレクは頭を抱えた。僕の、、、一世一代のプロポーズに答えてくれたマリエは、ちょっと宿題見せて、のノリで返事しやがった。まあ、、、了解してもらったのは嬉しいが。
華国に留学してきてからの同級生。菜国の女の子。語学も達者で、華国語も難なく話す。入学当時からいろいろとお世話になった。黒髪に黒い瞳、背は低く、実年齢より幼く見える。最初は華国の子かと思っていた。
「じゃあ、華国語を教える代わりに、あなたの国の言語を教えてよ?そのうち遊びに行くから。」
何だか、、、知り合った頃から、自由な子だった。
父親は菜国の皇帝。と、いっても、華国の10分の1位の国土らしい。
その父親がケガをして立ち上がれなくなったときに、華国の整体師が呼ばれたらしい。国内の医師団が総出でも直せなかったのを、たった3か月で歩けるまでにした。
マリエは、その華国の整体師にほれ込み、その弟子になるべく留学してきた。
実際、入っていた国賓用の寮をさっさと出て、その整体師の家に住み込みで働きながら大学に通ってきている。
「本当に小間使いなのよ、、、いつになったら教えてくれるのかしら?」
そう言いながらも、毎日楽しそうだ。
僕は、僕の国の第2王子。ゆくゆくは兄上を支えて、外交専門にやっていきたいと思っている。マリエのように広く世の中を見れる女の子がいるなんて、ここに来るまで知らなかった。僕が恋に落ちるのはそう時間が掛からなかった。
「・・・でねえ、、、私、見合いするのよ。華国の皇太子と。10歳くらい上みたいで、しかも、第何番目かのお妃になるみたいよ?」
他人事のように、あっけらかんと話すマリエに驚く。なんだって???
「え?君はそれでいいの?」
「え?良いも悪いもないわ。後宮に入ったら、自由はきかないかなあ、、、」
「じゃあ、そんな男止めて、僕にしなよ?僕と結婚してほしい!!」
で、、、、冒頭に戻る。
そんなことが無かったら、いつまでもいい友達で終わっていたかもしれない。
国元から連れて来ていた護衛のジョンが、、あんぐりと口を開けて、驚いている。
「ア、、、アレク様?この方は、、、、じっとしていませんよ?」
「ああ、、、飾り物の妻など要らない。」
*****
僕は3年間、華国で過ごし、先に帰国した。
「あと3年ぐらい、師匠のところで粘ってみるからねえーーー」
と、マリエは残った。皇太子の妃の件はすっぱりと断わったらしいが、逆に興味を持たれてしまい、僕ら3人は結構な頻度でお茶をしたり、王宮に呼ばれたりした。心配だ、、、、で、思い切って、ジョンをマリエの護衛として残した。
3年かっきりで、マリエが僕の所にやってきたとき、、、、何というか、ちょうどジークが階段落ちした直後だった。
「あら?まあ??これは私の出番なんじゃない?ね?」
僕は、、、久し振りに会った婚約者とゆっくりする間もなく、やれ、大公殿に紹介状を書けだの、前金は弾むように言え、だの、、、、ねえ、、、3年ぶりなのに、、、、
マリエはさっさと、ジョンを連れて大公家の別荘に出掛けてしまった。
その後のことは、、、、ジョンから詳しく報告を受けている。
まさか、、、あんなに大事にしていたリーゼとの婚約を破棄するとは思っていなかったが、、、、、まあ、、、、収まるところに収まって良かった。起つものが立って良かった、というべきか、、、、
階段落ちした侯爵令嬢は、地方の子爵家の後妻に出した。侯爵家には、それ相当の慰謝料を支払わせた。
さて、、、今夜は耳年増になっている僕の婚約者と、ゆっくり、これからの話をしようと思う。




