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補習がなければ夏休みはだいたい楽しい

7月24日

今日は終業式!


「はい、通知表配るぞー」


担任の篠崎せんせーがそう言って封筒を手に持つ。


蝉時雨と遠くに聞こえる海のさざ波の音、学校横のアスファルトはジリジリと陽炎とあげている。


「まずじゃあ赤崎〜」

名前を呼ばれたゆうなは赤崎の名前とは真逆の真っ青の顔をしていた。


「はいじゃあ副会長〜」

しばらくしたら俺の番になった。

俺は生徒会の副会長を勤めているからせんせーに副会長と呼ばれている。


受け取った封筒の中身を確認する。

その中に入っていた紙には成績について書かれていた。

もちろん俺は全ての教科が1〜5の評価の最高の5


「ねぇ、、ひかりって夏休み生徒会で学校来る予定とかある?」


この一言で全てを察した。


「補習あるんだな?」


確信をついた一言は思った以上に威力が高かったらしく、

ゆうなはビクッと肩を震わせたあと涙目でこちらをただ見つめている。


「ひかりさまぁ〜助けて〜」


そう言って差し出された通知表を見ると


国語 4

数学 3

英語 2

社会 2

化学 3


ここは成績が5段階中2以下だと補習があり、

夏休み前半の10日を学校で過ごす羽目になる。

ゆうなの場合英語と社会が補習の対象になっている。


「これは〜まぁなかなかに酷いもんやな」


「ひかりにとっては簡単でも私にとっては簡単じゃないの!!!!」


すごい勢いで泣いてるせいでメイクは崩れ、顔がぐしゃぐしゃになっていた。


「顔おもろww」


「うるさい!」


軽く腹パンを喰らいつつもゆうなの頭を撫でて諭す。


「補習付き合ってやるから泣くのやめろって」


ほんと?と上目遣いで聞いてくるゆうな。

その破壊力はメイクが崩れていても俺の理性を破壊するには十分すぎる威力だった。


「とりあえず、通知表貰ったやつから帰っていいって言ってたし、トイレ行ってメイク治してこいよ」


うん!とさっきまでの泣きっ面が嘘のような満面の笑みを向け走り出すゆうな。


さてと、、ひなのは無事かな、


ひなのは俺の双子の妹。

そのはずだが、俺とひなのはなにか一致した事がなく

俺が成績が良い分ひなのは学年でも下の方の成績でここに合格できたのも俺と本気で勉強をしてギリギリ入れたという程だ。


「今年は2人も見ないとなんか、」


そう呟きつつ、スマホを操作しひなのにメッセージを送る。


『ひなのは補習あったか?』


しばらくしてメッセージが帰ってくる。


『4教科』


絶望的なメッセージがそこにはあった。



***



朝からジリジリと乾いた空気と30度を超える熱が体を襲い、さーと音を立てる風が生暖かい空気を運んできて額に流れる汗と合わさって少し不快感を感じる。


『俺もう駅ついたから待合室にいるわ』


『ごめん!いま電車が猪とぶつかって遅延した!10分ぐらい遅れる!』


今日はゆうなが家に来て勉強会を開くことになった。

問題児ひなの様には既に勉強をしろと命令してある。


2人とも英語が補修対象になっていたから英語を優先的にやろうと思っている。


ただ、


「ねぇねぇ、ひなのちゃんってスイーツとか好きだよね?」


なぜそんなことを聞けるのだろうか、、

きみは補習があるんだよ?それを言えるほど楽な立場じゃないんだよ?


そんなことを思いつつ家へと向かう。

(この後コンビニ3軒回った)

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