失楽園とはまさにこの事。
「おい!その肉は俺が育ててたやつだぞ!」
「おめぇはさっきから肉しか食ってないだろ!野菜食え!」
文化祭が終わった。今は、みんなで打ち上げだ。メンバーは、体育祭のメンバーに、奏斗を含めた、8人だ。
ひなのに関しては、クラスの打ち上げに呼ばれたのにこっちに来たらしい。
クラスの方行けばいいのにな、
「おめぇ、焼肉の野菜は最後に食うのが美味いんだから今口に付けないのは当たり前だろ!」
「てめぇの理論なんか知らねぇよ!」
焼肉は戦争。肉を焼く順番、焼けた肉の争奪戦。野菜の押し付け合い。
俺と、奏斗は殺し合いと遜色ない争いを続けている。
「結局さ、いちばん美味いのは真っ黒焦げのホルモンなんだよな」
八人席の端で、一人、響はしんみりといている。
「焦げてたら苦いんじゃないの?」
そして、何故か響の周りに座る、陸部組。
ちなみに俺はゆうなとひなのの間。そして奏斗の向いの席だ。
「いや、ホルモンは焼いて焼いて脂落として真っ黒にするのがいちばん美味しいんだよ……」
そういえば、響に前、勧められたゲームにそんなセリフあったな……。あいつ、好きなゲームとかに影響されるやつだっけ。
しかも、響ずっと冷麺食ってるし。
昔、篠崎せんせーが言ってたな。
「好きな異性がいる人は、焼肉屋に行け」って。
その理由分かったかも……。
焼肉屋での行動ってほんとに性格出るね……。
ひなの、なんかもうずっとタン食ってるし、焦げたやつを俺に投げてくるし。
ゆうなは水と肉を交互に食ってる。
なんか、みんなの動き見てるだけでも面白いわ。
「そういえば、ゆうなさん」
「ん?」
奏斗が、ゆうなに声をかける。
「ここ、アイス食べ放題らしいですよ!後でどうです?」
「ふふっ、奏斗は面白いね」
一時は、どうなるかと思ったが、結局ゆうなと奏斗は友達という関係に落ち着いたらしい。
まぁ、俺がいる限り、ゆうなが他の男に惹かれるわけないけどな。
ゆうなは、奏斗のこと呼び捨てで呼ぶようになったし、どっか楽しそうだ。
こんな時間がずっと続くといいな。




