我、漢になる
「今日、たのしかったね」
みんなでご飯を食べた帰り、新潟駅の3番線ホームで電車を待っていた。
「文化祭終わったら打ち上げ行こうよ」
「いいね!それ!」
スタバにクレープに、ゲーセン、買い物、晩御飯にデザート……。
一体みんなどこからそんな金が……。
俺は今月はもう遊びに行けそうにないな、ひなのに、金借りよ……。
でもどうせ、ひなの、バイトもっと増やせとかいうんだろうな。
週5で入ってんのにこれ以上増やせないわ。
元気いっぱいの女子たちに比べ、男子組はもう瀕死状態。
ベンチに座って、ぐったりしてる。
「なんで、お前らそんな元気なん?」
「女の子は、好きなもの食べたら疲労なんてなくなるの」
「バケモンかよ」
電車が、駅に着いた。横並びのシートに詰めてみんなで座る。
少ししたら、響が寝た。それに合わせるようにほかのやつらもどんどん眠っていく。
残ったのは、俺とゆうなと香織さん。
「ねぇ、ひかり、スマホ貸して?」
「いいけど、充電あんまないよ?」
「すぐ返すから」
ゆうなは俺のスマホを上に掲げ、ほかの乗客が映らないように、俺達8人が映るようにスマホを動かす。
パシャ
俺のスマホに残された、みんなの映った、一枚の写真。
それを見ると、顔がほころぶ
「にやにやしてんなよ! 彼氏くん」
「こういう、思い出の写真みたいなの好きなんですよね……」
「へぇ……彼女ちゃんが一番大きく映ってるからじゃないの?」
「それも、あるけどさ?」
「うれしいこと言ってくれるねぇ」
なんで、ゆうな一人でも勝てないのに、香織さんも混じったらほんとに手も足も出ないよ……。
電車に揺られて、少ししたとき、目的の駅に着いた。
「また、月曜日!香り」
「じゃあな、」
「え、うん。……お泊り?」
「そう!」
「あ~……。楽しんで」
香織さんは、何か言いたげにしていたけれど、手を振って見送ってくれた。
*
「そういえばさ、ゆうな、ほかの動画にも参加してたんだろ?」
「あ~それね、うん、柊君のチームに参加していたんだけど、ひかり達が遊び行くのに、老いていかれるの嫌じゃん。それにもともと今日って、約束してたじゃん」
「ま、動画編集するのおれじゃないからいいけどさ、あんまり変なことスンナよ?」
「分かってるよ……。あ、コンビニ寄ってっていい?」
「おけおけ」
駅を出てから、すぐ近くのコンビニに行った後、ゆうなの家に行った。
ゆうなの家は今ちょうど両親が出張で家にいないのだという。
まぁ……楽しみというものだ。