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プログラム2 障害物借り物競争


「ただいまより、午後の競技をはじめます。」


「よし、みんないくよ」


和太鼓や、吹奏楽の演奏で盛り上がった会場の中午後の競技が始まった。

午後の競技は2年種目、1年種目、3年種目後に選抜リレーの順で進む。


そして、午後一発目の2年種目は『借り物障害物競争』

この種目は綱渡り、縄跳びなどの障害物を進み、

5人目、10人目、15人目、20人目のタイミングで借り物のお題カードを引きお題のものを借りてくる。


毎年、この借り物のお題には、「好きな人」や「タイプの人」など、一言でいえば陽キャ向けのお題が数多く入っている。

だから俺はあまり借り物のほうはやりたくなかったのに、、


「じゃあがんばれよ、ひかりくん。はずれのお題を引かないように」


そう、まさかの俺が借り物をやる羽目になってしまった。

しかも、なぜかアンカーの20人目。


いくらじゃんけんで負けてやることになったとしてもさすがにつらい。


そうは言ったがここまで来て逃げるわけにもいかない。

腹決めるしかないのだ。


「それでは、それぞれ一走目の人たちは準備を」


そうこうしてる間に、はじまりの合図。

二走目、三走目、とどんどん進んでいく。


そうして、とうとう俺の番。

ほかのレーンには、俺と同じ生徒会副会長や、学年トップクラスの陽キャ。それと、ひなの。

あきらか、俺のいるべき場所ではない。


今は知ってる人たちを見たらほぼ全員並走状態。

つまり、すべては俺次第、、、


だんだん気持ち悪くなってきた。


そして、ついにおれにバトンが回ってきた。

順位はも運悪く最下位。


しかしそれでも、本気で走って2位まで追い上げた。

そうして肝心の借り物のお題。


勝つためには選んでる暇はない。

一番手前のカードを選び、その内容を、、、、


『好きな人』


そこには、しっかりと俺の字で、好きな人とかいてあった。


そう、俺はこの種目で借り物をやることを頭に一切入れずそう書いたお題を入れていた。

まさに、因果応報。自業自得。


好きな人。それは迷いなく言える。

しかし、全校生徒、教師、保護者。その全員におれとゆうなが付き合っていることがばれるのはさすがに恥ずかしすぎる、、


かと言って、ここまで来て負けたりしたら俺のクラスでの立ち位置も、体育祭での順位も、

この最高の空気も一番下まで真っ逆さまだ。


それだけは、さすがにまずい。


俺は恥を捨てた。そして、俺は太陽が沈む10倍の速度で駆け出した。

俺が向かった先はもちろん、ゆうなの元。


「ゆうな!いくよ!」


「えっ!?」


俺は体育座りをしているゆうなの膝裏に有無を言わさず腕を通し、肩を持ち上げる。

ゆうなは自然と俺の首に手をまわし、お姫様抱っこの形になった。


「重」


「殺すぞ」


「じょうだんだよ」


ゆうなからの感じたことのないほど凶悪な気配を感じたが気にせず走る。

周りを見たらひなの以外まだお題のものを見つけられていないようだった


「おやおや、デレデレしてますね~お二人さん」


ひなののところまで追いついたと思ったらすぐこれだ。


「お前と違って恋人がいるからね」


これ以上何か言われたら俺はもう持たない。

煽り文句の一つだけでも言って速攻逃げよう。


しかし、おれはゆうなを抱えている分速く走ることもできず、ひなのと並走状態になってしまった。


永遠に続く煽りに向けられる好機の目。

それを何とか堪え俺はゴールした。


もちろん一位でだ。


「では、アンカーの皆さんにお題が何だったのか聞いてみましょう」


、、、ふざけんなよ、


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