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努力に勝るものはあんまりない

「怪我大丈夫?まだ痛んだりしていない?」


「うん!一応様子見で運動を制限してただけだしね」


「じゃあ、容赦する必要ない?」


「そりゃ、私が怪我してても容赦はしないでよ」


「あれ?もしかしてゆうなちゃんってMっ気ある?」


「それは遠回しに私が負けるって言ってない?」


「さぁ?どうだろうね」


私の怪我も完全に治って、延期していた体育祭のリレーの出場選手決めの勝負がこれから始まる。


本番のリレーじゃないって言うのに緊張が本当にすごい、、走る前なのに心臓がバクバクしてる


まぁ、そりゃ相手が全員陸上部で万全な状態なのに私は怪我で病み上がり。


負ける気は無いけど勝てる気もしない。


「4人ともそろそろやるから準備して」


「はーい」


今日は間宮くんと響くん。それとひかりが私たちの勝負を見てくれることになっている。


「ゆうな!、がんばってね」


「うん。みててね」


ひかりはそう言葉を残し、ゴール地点に向かった。


「じゃあ、やるよ」


私達、4人は集中する。

今聞こえてくるのは自然から流れる音と私の鼓動の音。


「位置について、」


そして、間宮くんのスタートの報せの声。


「ドンッ!」


スタートダッシュは完璧だ。

間宮くんの声に素早く反応できて、他の3人より前に出れた。


私の課題だったスタートダッシュはクリア。

あとは越されないように初速を落とさないこと!


「ゆうなちゃん、めっちゃ速くね?」


「怪我する前より全然速い」


そろそろ半分!ここから姿勢を上げて走る。

順調に行っている。


「でも、さすが陸上部だよね、だんだん追い上げてきてる」


私の横には怜ちゃんとゆゆちゃんの姿が並んでいる。


私は少し、フォームが崩れてしまった。

それがトリガーとなり、どんどんスピードが並び

順位が1位から3位、1番後ろの香織ちゃんと並走している状態になってしまった。


香織ちゃんは後半からの追い上げが得意。

つまり、この後香織ちゃんがスピードを上げる前に差を広げないと負けるのは私。


一歩、二歩、とどんどん前の2人と距離が離れていく。


その焦りがさらに私の状況を悪くしていく。


並走状態だった香織ちゃんにも先に行かれてしまった。


でも、まだ香織ちゃんとは2mも距離はない。


負けたくない。絶対勝ちたい。ひかりにかっこいいところ見せたい。


その気持ちが私に力をくれた気がした。


フォームはガタガタだけれど、根性で足を全速力で回し続ける。


ゴールまで残り5m


何とか香織ちゃんと並走するところまで持ち直した。


でも、これじゃダメだ。


私はさらに足を素早く回し、前に倒れ込むように走る。


この姿勢じゃ走り終わったら転んじゃうかもしれない。


でも、香織ちゃんに私は勝つんだ。


「頑張れ!ゆうな!」


ひかりの声が聞こえたとほぼ同時に私はゴールラインを切った。


スピードを段々と落とし、下がっていた顔をパッと上にあげる。


勝負の結果は、、


最後の方はずっと下を見てて香織ちゃんの姿が見えてなかったから、分からなかったけど、、

どっちが勝ったんだろう。


「ゆうな、」

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