真面目じゃないと言い張るクソ真面目な女子 ~たくし上げが好きな人向け~
頑な。愚かで下品な、という意味もあるそうです。
あなたは女子高生だ。
女子高生だから、高校にいる。
あなたの近くには、二人の友人女子がいる。
今は休み時間で、あなた達は校内の廊下にいた。
あなたの友人のうちの片方は、長めの黒髪を左右で分けてまとめており、肩の前で垂らしている。
彼女の見た目に関しては、すごく真面目だ。
紺色ブレザーの制服を正しく着用し、ブラウスのボタンは一番上まで律儀に留める。紺色スカートの丈は膝下まであり、紺のロングソックスもきちんと伸ばして着用している。
この真面目そうな女子を、もう一人の友人がまじまじと見ていた。
彼女は長い髪を明るめの茶色に染めていて、制服を少し着崩している。スカートの丈も短く、真面目そうな黒髪女子とは容姿が対照的だった。
「すごーく、まじめだよねぇ……」
「いや、そんなことないよ」
黒髪女子は茶髪女子の感想をきっぱりと否定する。
「え、だって、そんなきれいに制服着てるんだよ? まじめじゃないわけないじゃん」
「でもこれは、ただ普通に着ているだけだし……」
「絶対まじめだと思うよー、私は。あなたもそう思うでしょ?」
茶髪女子に同意を求められ、あなたは頷いた。
「ほら、二対一だから多数決で決定」
「私、本当に真面目じゃないし」
「えいっ!」
「きゃあぁっ!」
黒髪女子のスカートが、茶髪女子にめくられた。
スカートが盛大に舞う。その中に着用していた紺色のハーフパンツが、周囲に晒される。
この瞬間を、あなたは見逃さなかった。
「いきなり何するのッ!」
きつくスカートを押さえながら、黒髪女子が怒鳴る。彼女の顔は赤かった。
「今のぉ、まじめな子の反応だよねぇ」
返答も謝罪もせずに、茶髪女子は持論を展開する。
「こんなの真面目以前の問題だもんっ!」
怒っている姿もかわいいと、あなたは黒髪女子に対して思ってしまった。
「ハーパンはいてるのって、まじめな子が多いよ?」
「多い、でしょ! 私が着用しているからって、真面目ってことにはならないよッ!」
「まじめじゃないならさ、別にハーパン見られても恥ずかしがらないと思うけど」
「私っ、恥ずかしがってないし!」
黒髪女子はスカートから両手を放す。
「あー、まじめじゃないんだねぇ。まじめじゃないなら、ハーパンを自分から見せるでしょ」
「……うん。私、真面目じゃないから、見せるよ……」
自称真面目じゃない黒髪女子は、ゆっくりと返答した後、緊張した手つきで、綺麗に、……スカートを持ち上げた。
芸術のような、素晴らしいたくし上げが完成する。
スカート内側の、ほっそりとした太ももを隠すハーフパンツが窺える。紺色一色のハーフパンツは体育の時間に着用するものと同一なのに、スカートの中にあるだけで、全く異なった印象を持たせるのである。
彼女は茶髪女子に向かって、ハーフパンツを見せていた。そうだとしても、当然近くにいたあなたも、豪快にスカートを持ち上げる様子を目撃することになった。
防御を捨てて攻撃に特化したかのような彼女の大胆さに、あなたの心が大喜びする。
なぜなら、あなたは、女子のたくし上げを見るのが好きな女子高生だからだ。
たくし上げをしている彼女の視線は、茶髪女子のほうにある。あなたがたくし上げを見ていても、当人からそれを咎められることはなかった。
まさにあなたにとって、素晴らしい時間だった。
「これでどう?」
ハーフパンツを見せつけながら、黒髪女子は高圧的に問う。
「うん、まじめじゃないね」
茶髪女子が相手の意に沿う回答を伝えた。すると、真面目を否定する黒髪女子は、満足そうにスカートを戻す。
「じゃあ、そろそろ休み時間終わりだから、戻るね」
何事もなかったかのように、黒髪女子は教室に入って行った。あなたはただ、彼女の後ろ姿を追っていた。
「……あの子のたくし上げ姿に、そそられたでしょ?」
残っていた茶髪女子に言われて、あなたは我に返る。
この女子があのような挑発をしていたのは、どうもあなたのためだったらしい。あなたがたくし上げを好むという秘密を、茶髪女子には知られてしまっていた。
茶髪女子の完璧な笑顔が悔しかったけれど、あなたは心の中で彼女に大変感謝をした。
(終わり)
たくし上げハーパン作品でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。