表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

真面目じゃないと言い張るクソ真面目な女子 ~たくし上げが好きな人向け~

作者: 栗野庫舞

(かたく)な。愚かで下品な、という意味もあるそうです。

 あなたは女子高生だ。


 女子高生だから、高校にいる。


 あなたの近くには、二人の友人女子がいる。


 今は休み時間で、あなた達は校内の廊下にいた。


 あなたの友人のうちの片方は、長めの黒髪を左右で分けてまとめており、肩の前で垂らしている。


 彼女の見た目に関しては、すごく真面目(まじめ)だ。


 紺色ブレザーの制服を正しく着用し、ブラウスのボタンは一番上まで律儀に()める。紺色スカートの丈は膝下まであり、紺のロングソックスもきちんと伸ばして着用している。


 この真面目そうな女子を、もう一人の友人がまじまじと見ていた。


 彼女は長い髪を明るめの茶色に染めていて、制服を少し着崩している。スカートの丈も短く、真面目そうな黒髪女子とは容姿が対照的だった。


「すごーく、まじめだよねぇ……」


「いや、そんなことないよ」


 黒髪女子は茶髪女子の感想をきっぱりと否定する。


「え、だって、そんなきれいに制服着てるんだよ? まじめじゃないわけないじゃん」


「でもこれは、ただ普通に着ているだけだし……」


「絶対まじめだと思うよー、私は。あなたもそう思うでしょ?」


 茶髪女子に同意を求められ、あなたは(うなず)いた。


「ほら、二対一だから多数決で決定」


「私、本当に真面目じゃないし」


「えいっ!」

「きゃあぁっ!」


 黒髪女子のスカートが、茶髪女子にめくられた。


 スカートが盛大に舞う。その中に着用していた紺色のハーフパンツが、周囲に(さら)される。


 この瞬間を、あなたは見逃さなかった。


「いきなり何するのッ!」


 きつくスカートを押さえながら、黒髪女子が怒鳴る。彼女の顔は赤かった。


「今のぉ、まじめな子の反応だよねぇ」


 返答も謝罪もせずに、茶髪女子は持論を展開する。


「こんなの真面目以前の問題だもんっ!」


 怒っている姿もかわいいと、あなたは黒髪女子に対して思ってしまった。


「ハーパンはいてるのって、まじめな子が多いよ?」


「多い、でしょ! 私が着用しているからって、真面目ってことにはならないよッ!」


「まじめじゃないならさ、別にハーパン見られても恥ずかしがらないと思うけど」


「私っ、恥ずかしがってないし!」


 黒髪女子はスカートから両手を放す。


「あー、まじめじゃないんだねぇ。まじめじゃないなら、ハーパンを自分から見せるでしょ」


「……うん。私、真面目じゃないから、見せるよ……」


 自称真面目じゃない黒髪女子は、ゆっくりと返答した後、緊張した手つきで、綺麗(きれい)に、……スカートを持ち上げた。


 芸術のような、素晴らしいたくし上げが完成する。


 スカート内側の、ほっそりとした太ももを隠すハーフパンツが(うかが)える。紺色一色のハーフパンツは体育の時間に着用するものと同一なのに、スカートの中にあるだけで、全く異なった印象を持たせるのである。


 彼女は茶髪女子に向かって、ハーフパンツを見せていた。そうだとしても、当然近くにいたあなたも、豪快にスカートを持ち上げる様子を目撃することになった。


 防御を捨てて攻撃に特化したかのような彼女の大胆さに、あなたの心が大喜びする。


 なぜなら、あなたは、女子のたくし上げを見るのが好きな女子高生だからだ。


 たくし上げをしている彼女の視線は、茶髪女子のほうにある。あなたがたくし上げを見ていても、当人からそれを(とが)められることはなかった。


 まさにあなたにとって、素晴らしい時間だった。


「これでどう?」


 ハーフパンツを見せつけながら、黒髪女子は高圧的に問う。


「うん、まじめじゃないね」


 茶髪女子が相手の意に沿()う回答を伝えた。すると、真面目を否定する黒髪女子は、満足そうにスカートを戻す。


「じゃあ、そろそろ休み時間終わりだから、戻るね」


 何事もなかったかのように、黒髪女子は教室に入って行った。あなたはただ、彼女の後ろ姿を追っていた。


「……あの子のたくし上げ姿に、そそられたでしょ?」


 残っていた茶髪女子に言われて、あなたは我に返る。


 この女子があのような挑発をしていたのは、どうもあなたのためだったらしい。あなたがたくし上げを好むという秘密を、茶髪女子には知られてしまっていた。


 茶髪女子の完璧な笑顔が悔しかったけれど、あなたは心の中で彼女に大変感謝をした。


                    (終わり)

たくし上げハーパン作品でした。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ