第99話 今日も賑やかな一日
【お知らせ】
城塞幼女シルヴィア1巻、GCノベルス様より絶賛発売中です!
来月には2巻を控えておりますので、何卒よろしくお願いします!!
「お嬢様!? ――お嬢様ーッ!」
今日も城塞は賑やかだ。
猫を被るのをやめたブリージダが、とうとう豚に乗ったシルヴィアを見てしまったからだ。
鼻血まみれで幸せそうに気絶するブリージダを介抱するアンと、なんとも言えない顔で手助けするダフネ。
ベッファとカロージェロが飛んできて、カロージェロはテキパキと指示を飛ばす。
「担架を用意してください。出血は、私が治癒魔術で治療します」
「かしこまりました」
ベッファとカロージェロは、豚に乗ったシルヴィアを見たら、シルヴィアを好きすぎるブリージダなら気絶するだろうし鼻血を出すのもしょうがないよな、と考えているので動じない。
そもそもベッファも鼻血を何度か噴いたことがある。
ダフネは、どちらかというと自身の国の侯爵令嬢が、幼女を見て興奮し鼻血を噴いて倒れるという事態に落ち込んでいる。
これが、あの『淑女の鑑』と謳われたブリージダ・コンシュ侯爵令嬢の実態か……と思うと暗澹たる思いがよぎるが、いやシルヴィア様のかわいさが尋常ではないからしかたがないのでしょうと思い直した。
ダフネもだいぶ周囲に感化されていた。
シルヴィアも、周囲が騒ぐことにだいぶ慣れてきているが、ブリージダは騒ぐ者たちの中でもトップクラスにいるため、やはり驚いてしまう。
「だ、だいじょぶですか……?」
「ブ、ブヒ?」
豚はもっと驚いている。
え、俺なんかやっちゃいました? という気持ちでブリージダを見つめた。
*
「……ビックリしたのです」
シルヴィアが鶏を抱きかかえ、ロミーの淹れた紅茶を飲む。
「……我が国の令嬢が申し訳ありません」
ロミーも、ブリージダの醜態に思うところがあり、思わずシルヴィアに謝ってしまった。
「国にいらっしゃったときは、まさかあのような方とは思いもよりませんでした。第二王子殿下の婚約者で、『淑女の鑑』と謳われていたのですよ。何があっても沈着冷静、泰然自若としていて非常に優美……だったんですが……」
ロミーが話していてつらくなってくる。
今も優美は優美だが、冷静さは欠片もない。
ちょっと前までアンが一人でブリージダの使っている私室を掃除していたのだが、シルヴィアがブリージダの私室に呼ばれたことで、どうしてだかが判明した。
それはもう、ロリータ溢れるかわいらしい部屋に様変わりしていたのだ。
アンは目を瞑り、
「……大変申し訳ありません。撤去しろと言われれば全て焼却処分いたします」
と、頭を下げていたが、シルヴィアは気にしない。
「こういう感じが好きなら、最初からそういうふうに作っておけばよかったです」
失敗失敗、みたいに頭をかいたので、ブリージダが感激し抱きついてスリスリし始めた。
ロミーは、これがあの、淑女の鑑……淑女とはいったい……と、遠い目になったのだった。
鶏を撫でつつ紅茶を飲んで落ち着いたシルヴィアが言った。
「だいじょぶなのです。ブリージダ様はいい人なのです。ちょっとはじけちゃうときがあるだけです」
ロミーが感激する。
「シルヴィア様……! なんてお優しい……!」
ロミーもだいぶ感化されていた。
――城塞内ではまともな思考の人はアンだけかもしれない。
一刻ほどでブリージダはようやく復活し、シルヴィアに謝罪に現れた。
「驚かしてしまい、大変申し訳ありません……」
しおらしく頭を下げると、シルヴィアは鷹揚にうなずく。
「ブリージダ様がなんともなくてよかったです」
その言葉にまたブリージダが感激する。
「シルヴィア様……!」
シルヴィアに近寄ろうとしたブリージダを、冷然とした声で呼び止めたのはアンだ。
「ブリージダ様」
ブリージダはビクッとして止まる。
「これ以上、シルヴィア様の寛容さに甘えないようにしてくださいと、何度言ったらわかっていただけるのでしょうか。これ以上、我が国の恥にならないよう、切に願います」
「は……恥って……」
ブリージダは絶句するが、ちょっと自覚があるらしく、
「……気をつけます」
と、反省した。
新章です!
……実は全然書けていないので、正月休み中に頑張ろうかなと思っています……。
が、1巻発売なので3日間ほどは連続投稿させていただきます。
1巻の情報過多なので、活動報告にまとめました。
https://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/3554786/
新たに発表されたら追記していきます。




