目ヤニの見た夢
目を覚ました二人は行方不明で、事も有ろうに、誰も彼らを覚えてはいなかった。これはいつもの話。
私はあちらで行方不明となった。彼はといえば、そんなものを私は知らない。
言い終えて、用も無いのにすっきりするこの身の身勝手が、ロマンチストとしての努力家な主人公を隠蔽するのは例の如く、スヌーズという見知らぬ文字が私を見知っているからなのであった。
よってただ今、初めて知ったこの文字体系。目覚まし時計の裏のグロテスクなコクピットから、諸々を類推しなければならない。ああ、スヌーズとは一体どれ。
どうせいつも動物のメリットにおいて、エンターテイメントのデメリットにおいて、知らぬ演者におやすみを言うこと無しに勝手に睡眠を上映しているアマチュアであるから、私が隠れたところで演目は成功したはずである。きっと。
ところで、私はあそこで、つまりさっきまでいたあそこで何を貰ったかといえば、これは誰にも言う必要の無いそれである。ただ今それを差し込んで、解錠に成功する。言う必要の無いスクリーン。
しかし未だ鍵穴を覗き込んでいただけ。気付かれるはずも無い私は、どこかで切り上げねばならない。意味有りげな紳士が現れて、私を誘導してくれるはずも無いし、この時間は回収されない。取り敢えず、顔を洗ってこよう。




