悪魔の所業
知らないうちに5000pv突破してました！
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放った魔法は花火のように空へ弾けた━━━
「...最後の悪あがきですか？ 誰も助けなんて来ませんよ。この敷地内に居る者達は全て貴方の敵です」
黒ずくめの人間はトドメを差すためにナイフに毒属性の魔力を乗せて振り上げる
「あぁ...これでまた勇者様のお役に立てる。私のために死んでくれてありがとう」
『もうダメだ...ごめん...ママ...』
「すみませぇぇん！ 先ほど注文されたピザなんですがケチャップつけるの忘れちゃって....えへへ」
背後からの声に驚き思わず振り向いた黒ずくめの人間はその男に罵声を浴びせる
「っ...何者だ貴様！ 見られたからには死んでもらうぞ！ ピザなどふざけ━━━」
ザシュッ...
「いやあったわ目の前にケチャップ」
「ク゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ！」
ナイフを振り下ろしていた黒ずくめの腕をまるで紙切れのように素手で切り裂き、手に浴びた血をニヤニヤしながら舐める男がいた━━━
「お待たせ、遅かったかな？」
「...遅かったよぉ...ばかぁ...」
私は殺される恐怖と絶対的な安心感が同時に込み上げて決壊したダムのように涙が止まらなかった━━━
「なんか...キャラ変わってない？」
「うるさい！ げほっ...いたぃ...」
緊張の糸が切れ一気に激痛が押し寄せた
「あらら...結構刺されてるね。すぐ治すから待ってて」
━━━零
私が受けた背中の傷は一瞬にして消えた
「ありがとう...ほんとに...たすかったよぉ...」
「わかったから、鼻水汚いからこっち来ないで」
「酷い！ 貴方についてる血の方が汚いじゃん！」
「ひでぇ...でもこれは俺じゃなくてアイツの血だからね。俺自体は綺麗だからね」
「何それ意味わかんない...あはは」
敵を目の前にしてこんなに平然と笑えたの初めてかもしれない━━━
＊ ＊ ＊
ジュノside
火魔法が放たれた瞬間に俺は瞬間移動したものの彼女はもうすでに刺されていた。
しかし魂は無くなっていなかったので治せることが判りホッとしていた
「あ、そうそうコレ忘れてた」
俺が取り出したのはパトラとの戦いでへし折った刀だ。
創の力で元通り...いやそれ以上に創り直した
「ありがとう...でもこれあの時に渡して欲しかったよ。刀があれば今苦戦しなかったのに...」
「ごめんうっかり忘れてた。そうそう...直した代金は後で払ってね」
「なに！？ 折っておいてお金まで取るつもり？ どんなマッチポンプよ！」
「まぁ金も創れるんだけどそれは流石に倫理観がね...」
「ガイルを残酷に切り裂いておいて何が倫理観！？ あれば悪魔の所業だぞ！」
「あ、言っちゃいけないこと言った。街の嫌われ者代表ガイルさんに謝れよ」
「貴様が謝れ！」
「くそ...お前ら舐めやがって...全員皆殺しだ！！」
黒ずくめの男は無くなった腕を庇いながら俺達を睨みつけていた
「皆殺しね...そういうのは確実に殺せる相手にだけ言うべきだよ」
「ふん...先程は油断したが貴様のような軟弱で女子のような男に私が殺せるとでも？」
「ガイルさんもそう言って棺桶に入った」
「貴様ぁぁぁっ！」
ナイフを左手に持ち替えて毒属性を帯びたナイフで刺しにかかる。
「絶対に殺す！」
更に黒ずくめは移動強化の魔法を使い一気に詰め寄ってきた
「私は複数の魔法を同時に扱うことが出来る。貴様のような軟弱には到底到達できない領域なのだよ」
「そうか...一ついいことを教えるよ」
「なんだ？ 最期の言葉を言うのか？」
「そいつは俺のニセモノだよ...ホンモノはこっち━━━」
「な...に！？」
ザシュッ...
俺の手刀と分身の手刀が黒ずくめの腹に刺さり二つの風穴を開けた
「そん...な...分身...！」
「まだ息あるよね？ ガイルさんの時みたいに顎取っちゃうと喋れないし腹で許してあげるよ」
「きさま...いったい...んぐふっ...」
「まさかってヤツがとんでもない本性隠してるもんだって覚えておきなよ」
俺の得意スキルである"事情聴取"が始まった━━━
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