表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/66

荒れた城




 重い扉が開けられ、フードを被ったコート姿の影がふたつ、城へと入る。


 ノーム種族のジャックが住まわっていた頃とは比べられないほど、荒れた印象の中を通る。


 キラ種族のホーリーが住みだしてから、言語をあやつれないほど低俗な小型の魔族や小鬼族がすみつき始めた。

 それらが、突然の訪問者に戸惑ったように柱の影や天井へと逃げまどう。


 二つの影はそれを意に介さず、進んでゆく。


 先をゆく男が、ジャックのいたころの城を思い出し、顔をしかめた。


「――― 主が変われば、ここまで様変わりする。いいか?この世界も同じことだ。空の目の考えることはわからないが、とにかく、おれたちがどうにかするしかないんだ。わかるか?」

「・・・・・・」


 後ろに従う小柄な影が黙ったままうなずく。

 それを確認するでもなく、先を行く男は続ける。


「この世界を、キラ種族になぞ支配されてたまるか」


 近くの壺を蹴りあげ壁にあたってくだける音と子鬼の悲鳴が重なった。





      『――― だれだ?』



「っ!?」

 突然響いた低い声にフードの二人はあたりを見回す。

 柱にかろうじて残った燭台に揺れる炎がいきなり巨大なものとなり、フードの中の顔を照らすように二人を囲んだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ