それは 『間違い』だ
「・・・いいから朝飯だ」
「っひっく、ぼ、ぼく、あたまわるい、からっつ!?」
髪をつかまれ顔をあげさせられたハウアーは、間近に怒りをふくんだ青を覗く。
「―― おい、おれの言うことが聞こえねえのか?てめえがこんなとこでメソメソしてたって馬が死んだことに変わりねえだろ。それより早く、おれの朝飯を作れって言ってんだ。 これでも動かなかったら、てめえを外の川にすてる」
「・・・・ふ、、ふぁい・・・」
鼻と涙を垂らした赤い顔がどうにかうなずくと、ゆっくり髪がはなされた。
「す、すぐに、支度します!ご、ごめんなさい、ホーリーさま、すぐに!」
ようやく現状を理解できたらしい少年は、よろよろと立って地下から通じる台所のほうへ駆け出す。
「―― おい」
「は、はい!」
低い声に、いつものように返事が返り、まだきたないままの顔が振り返る。
「 ―― てめえ、馬を、穴に埋めたんだろ?そのきたねえ爪の間までしっかり洗ってから、飯の支度しろよ」
「はい!しっかり洗います」
「それからな、―― 埋めてやったんだから、『なにもできなくて』は間違いだ。覚えておけ」
「・・・・・・は、―――― っはい!」
むこうに駆け出すハウアーが、ホーリーさま大好きです!とさけび、後ろから壊れたドアを投げつけられたが、ドアは投げられる力に耐えられず、空中で分解し、落ちた。




