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はじけとばしたパンプキン

ひどい残虐描写あり。ご注意を


 つい最近も、『この世界をみんなでいっしょに変えてゆこう』などとほざいていたノーム種族の王を消してやった。


 ノームは何の力もない代わりに、数が多く、頭がまわる。

 ほかの種族を取りこんで、自分たちが住みやすい場所をつくるのだとか言い《縄張り》を主張しはじめた。


 初めは気にもとめていなかったのだが、その規模が見る間に拡大し、魔力を持つ種族も次々に加わる様子が、気にくわなかった。


 消したノーム種族の男の名は、ジャック・パンプキン。


 お前のしていることが気にいらないからヤメロと忠告してやったのに聞き入れない強情な男。



 結果、話し合おうと招かれたむこうの城にゆき、豪勢な食事を食べたあとで、食事のお礼と称し、最大級の呪いを、その『 頭 』にかけてやった。

 見る間に赤黒くふくれたそれがはじけとび、さけびおののく残されたノームや弱小魔族たちをおおいに笑ってやりながら、この立派な城を自分のものにすると宣言した。

 とたんに先を争ってザコどもが逃げ出したあの騒ぎは、今おもいだしてもおもしろい。

 

 数分でからっぽになった城の中を散策し、凝ったつくりの柱や天井に描かれた絵に、何の意味があるのかと眉をしかめて会食の大広間にもどれば、ジャックの身体が消えていた。

 

 不満げに口をまげるも、ノームは墓をつくって死んだ者をいつまでも覚えておこうとするおかしな種族だと聞いたことがあるので、気にするのをやめた。

 

 食堂の椅子のひとつに乱暴に腰を落とし、テーブルクロスの下をにらむ。


「――― おい、なにしてやがる?聞こえなかったか?この城は、今日からこのおれのもんだ」


 足を組み直して宣言すれば、にらんだ布が揺れ、黒髪の女がのそりと現れる。

 白い肌をひきたてる、赤いドレスの胸元をさらに自分で引下げながら、ホーリーへゆったりと近づくと、皮肉気に口を曲げた男の首に腕を巻きつけ、こぼれそうな乳房を肩口に押し付けながらささやく。


「あたし、スネイキーっていうの」

「見ればわかる。スナー種族だな?力のある種族の男に必ずひっつくっていう。だが、おれはキラ種族だ。あいにくと、おまえらが必要とする精力は薄いぞ」


「知ってるわ。でもあなた、見かけいい男だし、ほかのキラ種族よりは濃そうだもの。おまけに、横暴なその力は絶対的」

 ぽってりとした唇がとがり気味の鼻先を甘くかむ。



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