気をつかう
「―― っ、おい!てめえおれの言ったことが、 」
「はい!すぐにお食事にします!」
あせってシャツを羽織ったハウアーの顔はすでにいつものもので、転びそうな勢いで部屋を出てゆく。
入れ替わるように、続き部屋のドアの陰から、赤いドレスの女が現れた。
「―― かわいそうなハウアー。背中のアザは同じクアットのやつにやられたのね。 ホーリーに毒の野菜をちゃんと食べさせているか確認するたび、ハウアーは自分が食べた感想を伝えてた。あなたに言われたとおり」
「かわいそうなのは、毒野菜を食わされそうになったおれだろ?」
「ところがホーリーは、前より確かにおとなしいけど元気なままで、あちこち飛び回ってる。よほどのことがないかぎり、周りに迷惑もかけずにおとなしく。―― みんな、気味悪がってるわ」
「毒野菜にやられてるんだ」
「あれはキラ種族には即効性の毒よ。いくらあんたでも飛び回れるはずもない。 なのにハウアーはあなたがそれを口にしてるって報告し続けてる。―― 昨日、ついにバレて、『ホーリー様はおいしくても嫌いな野菜が多いから、食べたくても食べられないんです』なんて言っちゃって・・・、さんざん蹴られてたわ」
「は。バカらしい答えで上出来だ」
「クアットからずいぶん恨みをかってるみたいね。でも、ハウアーは、毒のことを知らない。―― とはいえ、ホーリー、よくあの子を消さなかったわね」
「便利なモンは使えるとこまでつかう」
「それとも、――― やたらと消したりしないよう、《気をつかってる》のかしら?」
「ああ?このおれが誰に」
「『空の目』を、さがしまわってるんでしょ?」
「・・・おい、スネイキー」
すっと細くなった青い目から逃げるよう、ドアの陰に赤がすべりこむ。
声だけがホーリーを笑う。
「そんなに会いたいなら、会わせてあげてもいいわ」
つぎのはなしを、予約投稿してみます!今日の22時にしてみました。ちゃんと予約できたのかだろうか・・・




