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異世界やり直し日誌  作者: 塚丸エイト
4/22

5歳児の日常①

また、時は流れて儂は2度目の5歳を迎えた


1回目の5歳のことなんてほとんど記憶にない

儂が5歳ってなると、1950年代くらいか

太平洋戦争が終わってそんなに経ってないくらいか…

結構、大変な時代だったろうが、その当時は幼かったので儂の親世代が

もっと大変だったのじゃろう

そのあと日本は世界的にも珍しい長期的な経済成長があったので

むしろ儂はいい世代なのかもしれない

一番日本がイケイケだった時代に若者だったのじゃからな


1回目の5歳のことはどうでもいい

今世の世界情勢はどうなのかはよくわからんが、

この世界についてはかなりわかってきたところじゃ


「ノア、今日はこの絵本を読みますよ~」

「はい、母上」


今、儂は就寝前の本の読み聞かせられている

まあ、もう読んだことはあるので内容は知っているのだが、

子供には何度も同じ本を読み聞かせるものじゃ


自分の子供や孫によく読み聞かせたものじゃ

娘はなかなか寝付かない子じゃったので、

妻と協力して頑張ってあやしたものじゃ

夜、鳴き声で起きないといけないのが子育てのつらい所。

寝不足のまま、次の日仕事に行かなければならんからな


オリビアが絵本を読み始める


「ある村はずれに、農家の一人息子であるアーサーという

 少年がいました

 彼は毎日家の手伝いをして暮らしていました

 

 ある日、彼は取れた野菜を出荷するためにお父さんと

 町に向かいました

 ついた町では多くの人で賑わっていました

 その中心では大きな男が地面に突き刺さっていた剣を

 抜こうとしていました


 『今回もぬけそうにないな』

 『勇者しか抜けないといわれているが、

  本当なのか?抜けた試しがないじゃないか』


 そういった声が聞こえてきます


 それを聞いたアーサーは自分もやってみたいと思いました

 お父さんに『僕もあれやってみてもいい?』と言いました

 お父さんは、『おおっ、挑戦したいのか?頑張るんだぞ』

 と言ってくれました」


オリビアがページをめくる


「アーサーの番が回ってきました

 アーサーは剣を手に取り、思い切り引っ張りました

 すると、なんということでしょう

 今まで大男たちが懸命に引っ張って抜けなかった剣が

 すんなりと抜けてしまいました

 アーサーは勇者に選ばれたのです」


儂は気になったことを聞いてみた


「今も勇者というのは存在しているのでしょうか?」


「今も勇者はいるけど、こんな選び方ではないわ

 お国の騎士団に入って最も優秀な人が国王によって任命される

 それが勇者とされているわ」


「そうなんですね」


「では、続きを読むわね」


オリビアが再び絵本を読み始める


「アーサーは王宮に招待されました

 そこで、王様によって正式に勇者として任命されました

 その後、彼は懸命に剣術と魔法を練習しました


 数年後、彼は誰もが認める勇者となりました

 訓練を積む中で、魔法使いと回復術師、重戦士を仲間にしました

 そして、彼らは魔王を試すための旅に出たのです


 道中、魔王が差し向けてくる敵を協力して倒して進みました

 そしてついに、魔王城に到着。

 魔王はとても大きく、強そうな気迫を感じます

 

 勇者一行は懸命に戦いました

 途中、魔王の強さに圧倒されましたが、

 アーサーは一度きりの大魔法を放ちました

 その攻撃を受けた魔王は大きくダメージを受けたのです

 最後に、彼は自らの聖剣・エクスカリバーで切りつけ、

 とうとう魔王を倒したのです


 アーサーは魔王を倒した功績をたたえられ、報酬をもらいました

 勇者一行が魔王を倒したことで世界に平和がもたらされました

 おしまい」


「どう?面白かった?」


オリビアが絵本を読み終わり、声をかけてくる


「はい、面白かったです

 また、質問してもいいですか?」


「本当にノアは勉強熱心ね~

 なんでも聞いていいわよ」


「アーサーさんはどんな魔法を使っていたんですか?」


「彼が使っていた魔法はよくわかっていないのよ~

 世界には火、水、風、土の魔法があるから、それの中のどれかでしょうね

 普通は1人1属性だけど、勇者様なら複数属性使えたかもしれないわね~」


「なるほど、そうなんですね

 最後の質問です

 魔王は倒されたので、今はいないということですか?」


「確かに今はいないわ~

 でも、魔王は完全には死なないとも言われているの

 だから、いつか復活してしまうかもしれないわね~

 でも、何百年も復活してないから、きっと大丈夫よ」


「わかりました、ありがとうございます

 では、今日はもう寝ますね」


「は~い、おやすみなさい、ノア」


オリビアはそう言い、儂の頬にキスを落とした


今日もなかなか楽しかったのう

オリビアに質問してこの世界についてまた詳しくなった


ふ~、眠くなってきたのぉ~

この体になったら、寝るのが本当に早い

いや、まあ年取ってからは早寝だったものじゃがな

なにより、深い睡眠がとれるのがうれしいのぉ

体も痛くならんしな


 

 

 

 

 


 

  


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