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異世界やり直し日誌  作者: 塚丸エイト
14/22

シロロの魔法修行

今日は学校がない日なので、シロロに魔法を教えることになった

シロロの家の場所が分からないので、教会で待ち合わせ


友達の家で遊んでくるといったら、両親とも非常に

喜んでくれた

オリビアは「お邪魔するんだから、何か準備しないと

いけないわね」といって、うちで作っている野菜を

儂に持たせた


教会についた儂はシロロを探した

まだ、ついていないようじゃ

それにしても、野菜が重すぎじゃ

オリビアは少々大げさなように思える

ただの子供の遊びじゃというのに


そうこうしていると、シロロが教会に現れた

シロロは普段の教会に来る時より、きれいな服装じゃった

白のワンピースで、ふちの大きな帽子をかぶっている

露出した肌がまぶしい

まあ、少々痩せすぎではあるが…


「おはよう ノア」


「おはよう シロロ

 今日の服はいつもより、かわいいですね」


儂がシロロの服装をほめると、シロロは顔を赤くした


「…そう よかった」


可愛らしい反応じゃな

こちらまで若返りそうじゃ

まあ、実際に若返っとんじゃけど


「では、案内お願いしますね」


シロロは儂の半歩先を歩き、家まで案内してくれた

しばらくしてシロロの家についた

想像していたが、シロロの家はあまり裕福ではないらしい

家もかなり古そうじゃ


「お母さんは家にいる」


シロロはそういうので挨拶でもと思い、家に上がる

家の中も老朽化が進んでいるのか、歩くたびに

軋む音が聞こえる

とある一室に入ると、一人のきれいな女性がいた


「おはようございます シロロさんの友達、 

 ノア・ベルナールです」


「よく来たわね ノア君

 私はノアの母親、ブラウンよ」


ブラウンは優しい雰囲気をまとった、いわゆる

「お母さん」といった感じの人だった

シロロは獣人だが、この人は人間じゃ

父親が魔物という話じゃからな


「お父さんはどちらに?」


「シロロから聞いていませんでしたか?

 夫はずいぶんと前に死んでしまいました」


「…それは なんというか、失礼な発言でした」


ブラウンはくすりと笑った


「シロロの言う通り、大人のようなしゃべり方なのね

 いいんですよ さっきも言ったように、本当に

 ずいぶんと昔の話ですからね」


「そうですか」


「今日はこの子に魔法を教えてくれるとか…

 ありがたいことです

 私は全く魔法が使えませんから」


ブラウンはそういって目を閉じた

その表情はどこか悲しそうだった


「はい 私、魔法は得意なので任せてください」


儂は少しいつもよりトーンをあげて答えた

ブラウンはまた少し笑った


「ノア、魔法練習しよ」


「そうだね、じゃあ外に出ようか」



儂は2本の杖を持って外に出た

そのうちの1本をシロロに持たせた


「シロロはどの属性の魔法が使えるんですか?」


「私は土」


シロロは杖をいじりながら、そう言った


儂は風属性じゃが、土属性は母親の属性

他の属性に比べれば、教えやすい


「ちょっと試しに打ってみてください」


「うん わかった」


シロロは杖を構え、詠唱を始めた

シロロが持つ杖の前に、土の塊ができる

サイズはゴルフボールほどか

ゴダゴダに比べると、魔力総量や魔力の練り方が

劣るか


土球グラウンドボール


シロロの魔法は真っ直ぐと飛んだものの、

飛距離が出ずに、すぐ落ちてしまった


「…私、魔法使えるとは言ったけど…

 そんなに得意じゃない」


シロロは耳をパタンと倒してしょげていた


「そんなに落胆することもないですよ

 結構できる方だと思います」


「…ノアにそんなこと言われてもうれしくない」


シロロはそっぽを向いてしまった

そうじゃな…

何から教えるべきか…


「とりあえず魔力の練り方を練習しましょう

 あと、魔法がどういう仕組みで発動するのか

 知っている?」


「魔法の仕組みは知ってる

 練り方教えて」


「わかりました

 体内の魔力が杖の先に集まるのを

 感じ取ることから始めましょう」


「わかった」


そういってシロロは目を閉じた

魔力を練り始めたようじゃ


「…よくわからない」


シロロは困惑の表情


「そうですか…」


魔法を認識できるか否かには、センスの

比重が大きいとオリビアが言っていた

やはり、シロロは魔法の才能がないのか…

いや、まだあきらめる段階ではない


「シロロ ちょっと手を出してください」


「ん? こう?」


そういってシロロは両手を前に出した


「では、ちょっと失礼しますね…」


そう言いつつ、儂はシロロと両手とも恋人つなぎを

した


「えっ??? ノア??」


急なことでシロロも困惑しているようじゃ


「落ち着いてください

 自分の魔力の流れより、他人の魔力の流れの方が

 感じやすいんです

 今から、私が魔力を流すので、集中してください」


「…わかった」


耳を震わせながらも、シロロの顔は真剣なものへと変わった


「どうですか?」


「…なんか 流れてるのわかる…気がする」


「おおっ そうですか!

 でしたら、自分の魔力も感じ取れるはずです」


シロロは先ほどと同じように、自分の魔力を感じるため

集中したが、うまくいかなかった


「…やっぱり無理 わからない」


「そうですか…

 私ではこれ以上教え方が分からないんですよね…」


今更じゃが、儂はこの世界ではかなり天才型のようじゃな…

困った、人に教えれんと意味がない


「でしたら、うちに来て、私の母に教えてもらいましょう

 母は土属性ですから、教えられると思いますよ」


「ノアの家…! 行く!」


シロロは元気を取り戻した


…その瞬間!!


林の奥から、急に魔法が飛んできた

そのスピードに儂は何とか気づいた


シロロが危ない! 魔法で打ち消すか…

そんな余裕はない…!


儂はとっさにシロロをかばうようにして

倒れこんだ


「痛ったいのぉ」


儂は小声でそう漏らした


食らったのは足

かすめた程度か…

しかし、血は出ている

この世界で最も傷ついたかもしれんな


「ノア! 大丈夫!?」


シロロは急に倒れこんだ儂を心配した


「シロロ あなたは身を低くしておいて!

 何かに魔法で攻撃された…!」


シロロは儂の足を見て、今どういう状況なのか

を理解したようじゃ


「ノア…! 足怪我してる」


「そんな大したことはないです…

 それより、敵が来ます!」


林から、怪しげな影が近づいてくる

2体、いや、3体か…


その影が姿を見せる

トラのような見た目 体毛は赤い

それにサイズもかなりの大きさじゃ


シロロはその姿を見て、こわばった


「まさか… レッドタイガー…!?」


「知ってるんですか?」


「…うん! それは、もちろん…

 本来このあたりにはいないはずなんだけど…」


儂はこの世界で初めて魔物と対面した















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