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船頭は唄う

作者: 蓮薔薇 揺麗

くるくる回り続ける木船


船着場で並ぶ人達は眼中になく


今乗る客を回し続ける船頭


せせらぎは小魚と共に唄い


船頭もまたゆったりと唄う


観光客は聴き惚れて目を閉じ


天を仰げば唄が見える


日を遮らない蒼空は透明で


天地が変わる幻覚すらも見える


木々の中に溶け込む木船が


活き活きと呼吸をしている


生きていた場所に戻り


肺や筋肉や心臓を回している


遊覧船にも生きる価値があると


船頭は客にも自然にも船にも唄う


くるくる回り続ける木船は


ゆるりと下りていく

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