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短編小説

過去からの手紙

作者: フルビルタス太郎

 八月。叔母と母と私で、亡くなった祖母の遺品を整理していると、戦死した曽祖父の話になった。

「お爺ちゃん、筆まめな人よねぇ」

 叔母がそう言うと、母が、

「そうよね」

 と、言った。

 ふと、玄関の方から、

「……ごめんくださーい」

 と、いう声が聞こえてきた。

「あ、はーい、」

 そう言いながら仏間から玄関に向かうと、地味な服の、それこそ、テレビドラマの中でしか見たことのない戦時中の服を着た男が立っていた。

 男は、じっと、私を睨みつけると、

「……郵便です」

 と、言って葉書をさっと、手渡した。

「あ、はい。ありがとうございます……」

 そう言いながら葉書を受け取ると、男は踵を返して外に出ていき、すぅっと、消えた。

「え……?」

 驚きながら葉書を見ると、軍事郵便という文字が見えた。宛先は祖母で、差出人は曽祖父だった。

「……お母さーんッ!」

 私は、大きな声でそう言いながら仏間に向かっていった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 不思議なお話でした。 手紙には何が書かれていたんでしょうね。
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