休まず働けと?
昨日、衝撃的なニュースを見ました。
岸田総理大臣が「コロナ感染爆発に対応するために、日祝も対応できる医療機関を増やしてほしい」と発言があったという内容です。
患者さんからすると、毎日病院が開いているというのは、コロナ禍においていつでも受診できる良い提案だと思う事でしょう。
しかし考えてほしいのです。
何故、病院は休診日があるのか。
そこで働いている人達が休む為に休診日があるのです。
毎日開いていたら医療従事者はいつ休めるのでしょうか?
スタッフを増やせば良いと思うかもしれませんが、経営的な話をすると、医療費は診療報酬といって国が定めた料金しか取れないため、あまり儲けが出ないようにされています。
余力としてスタッフを増やすと赤字になる可能性が非常に高いです。
さらに、医療業界はコロナ以前から人手不足の中、常にギリギリの人員で回っている状況です。
今スタッフを増やしたとして、その人達が即戦力になれるわけがありません。仕事が出来るように教育するほど人手の余裕は現在ありません。
今いる人員で休みなく働いたら、間違いなく過労死する人が多発します。
過労死までいかなくても、疲労困憊の状態で働くことで医療ミスが増えたり、過労で免疫力が低下し、コロナに感染するリスクが高まると思います。
医療従事者は休んではいけないのでしょうか?
コロナの犠牲になるのは当然のことなのでしょうか?
私たち医療従事者はこの3年ほど、自分たちが出来る精一杯の仕事をしてきているつもりです。
まだ余力があると思われているのでしょうか?
また、法律的な話をすると、診療時間を変更する場合、役所に届け出をして承認を貰わなければいけません。
承認がおりたとしても、これも法律で決まっているのですが、外の看板に変更した診療時間を掲げなければいけません。業者へ依頼して看板を作り直さないといけません。
患者さんへの周知や、コロナ患者と他の疾患の患者さんの診療をどう両立させるか決め、その為に院内を整備する必要も出てくるでしょう。
このように細々とした事務作業をやらないといけないのです。(通常の業務をこなしながら)
すぐに変更して診療を開始するのは厳しいです。
そして、日祝診療できるようになったとしても、ほとんどの薬局は日祝お休みしています。
処方箋を発行しても、患者さんは薬を受け取ることが出来ません。
医薬分業と言って、国が病院と薬局を別々にするよう政策で推し進めた為に、院内薬局のクリニックはほとんどありません。
入院施設のある病院なら院内薬局がありますが、それも入院中の患者さんや救急の患者さんの調剤をしている為、コロナ患者さんまで対応する余力はないと思われます。
このように、日祝も診療することは簡単にはできない状況です。
病院を受診しなくても軽症の患者さんは自宅等で療養できるようにすることはできないのでしょうか?
感染者が0になるまで陽性者を探して治療し続けないといけないのでしょうか?
他の病気の患者さんの治療よりも優先しないといけないのでしょうか?
この3年間、代り映えのない対応で本当に良いのでしょうか?
選挙も終わったことですし、政府には是非とも真剣に考えて頂きたいものです。
沢山の感想ありがとうございます。
色々な視点で感想を書いてくださり、勉強になります。
あくまでも私個人の考えです。
全ての医療従事者がそう思ってるわけではないことをご了承下さい。
感想で、人の命かかってるのにお金の話題を出すなんてというコメントがいくつかありましたが、あくまでも主張したいのは、タイトルの通り「休まず働けということなのか?」ということです。
そこだけ言ってもと思い、毎日開ける為の厳しい理由をいくつかあげているだけです。
お金よりも厳しいのはマンパワーです。