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夜空を見上げる少女等は孤独  作者: 九頭坂本
7/30

残忍少女

 心がどこか満たされない。

 誰にどんな言葉をかけられてたとしても、どんな事

をしてもらっても、どんなに求められても、満足でき

ない。

 私の心は、ずっと孤独を感じているようだった。

 明確な理由は分からない。

 だから、苦しくて仕方がない。

 かといって、誰かを求めているわけでもなかった。

誰かといればかえって、心は苦しがった。

 誰かと近くにいればいるほど、心と心の距離を思い

知らされる。

 いつも、人間の心は複雑で、雲っていて、よく見え

ない。

 心の中身を知りたくて、無理矢理に手を突っ込めば、

拒絶されるか、自らの手で形を変えてしまう。

 しかし、普通を演じて接してみても、互いに演劇の

役を演じあっている感覚に陥って駄目だった。心はど

こにある?

 それくらいなら、一人でいる方が、誰かといるより

余程孤独は感じにくかった。ただ、心が宙に浮いて、

私が誰なのか、分からなくなりそうだった。

 私は多分、誰かに心を食べてもらいたいのだと思う。

そして、私も、私の心を食べてくれた人間の心を食べ

たいと願う。互いの、心を食べあいたい。

 食べる、とは抽象的な表現だけど、私には、この感

情はそうとしか言い表すことができない。

 具体的に、心を食べる、とはどうすることなのか、

それすら私には分からないけど、私を私でいさせてい

る、胸の奥の深いところの、澱んだ粘っこい私を、誰

かに救ってほしかった。

 救いは、私の心の全てを誰かに理解されることだろ

うか。

 それとも、愛されることだろうか。 

 ただ、知ってほしかっただけなのだろうか。

 まあ、考えるだけ無意味だ。

 心を食べられて初めて、私はそれを知ることになる

のだろうから。

 孤独は、私を蝕む。煽る。唆す。

 だから、私は願ってしまう。

 本当のことだけで、私を扱ってほしい。

 心を、開いてほしい。


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