表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

「来たか、待たせるんじゃねーよ」


 ある日、幹部の男に呼ばれた。


「ちょっとこの付近まで行って、2、3日ぶらついて、どういうやつらがいるか調べてこい」


 男は地図を机に広げて、1つの箇所を指でさして言う。


「何か注意することとか、ありますか」


 俺は男を刺激しないように、あくまで下手で出て聞く。


「あ? 敵だよ敵、なんか文句あるか」


「いえ、わかりました……、調べてきます」


「役に立てよ? そうすればいつか幹部になって気持ちいい思いができるぜ」


「はい」


 それから、早々に退出して、指定された地点へ向かうことにした。




 6時間ほど歩いただろうか、目的地周辺に着いた。


 付近を調べるふりをして逃げる、もとい、あのグループから抜け出したいが、どうせ隠れて監視がいるのだろうと思う。

 

 障害物の多いがれきを縫っていけば逃げられるかもしれないが、失敗した時を考えて、ひとまず逃亡はやめておくことにした。逃亡が失敗した時のむごい扱いを何度も見てきた。『奴隷』が心にも染みついてきたのかもしれない。惨めな気持ちになる……。


 いや、意識を切り替えよう。


 幹部の男は『敵』と言っていたが、どういうことだろうか。


 今入っているグループと同じような暴力的なグループなら、かなり危なそうだ。それに、もう殴られたくない。


 ここら辺を数日散策するとして、一応警戒しておこう。




 ――その日は、特に何事もなく過ごした。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ