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第5章 アヤカシ

マリーとの同棲生活が始まった。

マリーは、本当によく食べる。

僕は最近、大型害獣を狩り、なんとかマリーの食事を調達してるが、なかなか厳しい。

かと言って、マリーに狩りに行かせるわけにいかないし…と僕は、頭を抱えていた。


そして、家に軟禁状態にさせるのも流石に可哀想だったので、外出は許可した。

 

「ムシロ」

マリーが僕に話しかけた。

「なんだ、マリー」

「私、働く」

「え」

僕は驚いた、マリーが働くだって!?

元ゴブリンのマリーを雇用してくれる先はあるのだろうか。

「どこで働くんだ?」

「カブシキ町の、店。名前まだ決まってない」

「カブシキ…町か」

カブシキ町は、シン・宿区にある町名で、ジャポ最大の歓楽街である。

しかし、マリーが働く店も気になるし、久しぶりにカブキ町に行きたい。

…久しぶりに会いたい人もいるし。


「あ、私の働く店の系列店は、歌舞伎町にある!」

その系列店の名前を聞くと、聞き覚えがあった。クオアリティという店なのだが、そこに知り合いの子がいる。

そこは、多分広義ではキャバクラに入るのだろうが、実際は様々な接待を行なっていることで有名だ。

何故なら…

「ねえ、ムシロ!私一緒に行きたい」

「今日はごめん。少しカブキ町で用事を思い出した。」

「用事って何?

ねえ、ムシロ、私寂しい」

今にも泣きそうなマリーの瞳は、過去に付き合った女セーラを思い出した。

セーラもこんな感じだったな。

「ごめんね。マリー」

俺はマリーをぎゅっと抱きしめた。

マリーは俺に唇を近づけた。俺はマリーとキスをした。

そこに、感情の乱れはない。

多分マリーで30人目、慣れたもんだ。

「じゃあ行くよ」

「うん」


シン・宿駅東口からゆっかりとカブシキ町へと向かう。

シン・宿駅東口の喫煙所で、僕はショートピースを吹かした。

美味しい…。

そして、タバコの臭いを漂わせ、俺は夜の歓楽街に足を運ぶ。

すると、「キャアア」と悲鳴の声が鳴り響く。

あれは、害獣の一種のアヤカシ、全長10mの黒い影に覆われた大きめでヒト型のアヤカシは、警察も害獣討伐部隊も敵わない。

何故ならアヤカシは、他の害獣と違い、現在ジャポのみに生息しており、通常の武器が効かない時もある。


とにかくこのアヤカシを宥めないと…

10mのアヤカシは、とあるキャバクラ店を狙う。

俺は、バスタードライターをアヤカシの頭部に近づける。

アヤカシは、俺に気付き、アヤカシは、思いきり俺を地面に叩きつけた。

僕は真言と呼ばれる、呪文の一つを唱えた。

しかし、アヤカシと遭遇がすることが殆どないため、法具を持ってない。

そのため、念の力でアヤカシを倒す他ないのだ。

「ムルジム・アルジャ・シンバサス・ハンニャ・ショケン・ゴウン・カイクウ・ソワカ!」

念の力が足りないのか、まだアヤカシはピンピンしてる。

そして、アヤカシの拳が僕の頬に当たる。

僕は念の力を拳に込めた。

「念!パンチ!!!!」僕はアヤカシを殴りつける。

「おい!!」という、低めの男性の声が聞こえた。

「お前はこれを使え」と髪を結んだ和服の男が僕に太刀を投げた。

僕は太刀を受け取り、アヤカシの腕切る。

「ああ…めんどくせえ」

和服に身を包んだ男は、腰元にぶら下げだ煙管タバコの先端に葉を詰める。

そして、フィンガースナップで指に火をつけ、和服の男は、タバコを吸った。


なんで、彼は戦ってくれないんだろう…彼はサディズムなのだろうか、正直アヤカシの拳が強く当たるから痛い。

そして、一服し終えると、和服の男は、腰元にぶら下げた妖刀の柄を持ち、鞘から取り出し、「ふう」と一息つくと、「猛虎の乱!!!!!」と、叫ぶ。

すると、和服の男の後ろから10匹ほどの青い虎が出現した。

虎達は、グルルルルと喉を鳴らし、アヤカシに噛み付く。

全身を噛まれ、血塗れになったアヤカシを和服の男は斬りつける。容赦がない。

虎は、彼が斬りつけると、姿を消した。


「ビルジ・アンガルジ・ソワカ!」と和服の男が唱えると、アヤカシに光が包み込み、そしてその光は天へと昇った。


「き、君は?」

「我が名は、ヨリトモ・・・サムライだ。

妖術と念術が使える。」

侍、それはアヤカシを封印したと言う伝説上の存在と言われる。

しかし、完全に封印されたわけではなく、現代も様々な場所でアヤカシが確認されるため、"侍"と呼ばれる職業の者が妖を狩っているという都市伝説のようなものを過去に聞いたことがある。

しかし、本当にいたとは。

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