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第14話 カイワ

「お兄さん今日はどこから来たの?」

「・・・家から来た」

「家どこなの?」

「ザンマ市」

「結構遠くない?」

「別に」

「あ、ドリンクもらっていい?」

「一番安いのね」

「1500ウェンからのにするねー」


「お兄さん、勇者なの?」

「肩書きだけは」

「すごいじゃん?これ銃?」

「サブマシンガンと、ライフル。あと、ハンドガンを持ってる。

僕は特別な資格を有してるからね」

「お兄さんすごいんだね」

「大したことないよ別に」

「自信持ってよ」

「本当に僕はただのインキャだよ」

「インキャじゃないでしょ」


「インキャだよ。いじめられてたし、パワハラも受けた。

よく、孤立したし、いつも僕は孤独だった。

自殺未遂も何度もした。

僕は弱かった。だから捨てられた。

父からも母からも愛されなかった。少しでも良い、僕をただ認めてもらいたかった。

僕を見てもらうためにはもう死ぬしかないんだ。

ごめん感情が入った。」

「良いよ。辛かったね。お姉さんがヨシヨシしてあげる」

「同情なんかいらないよ。

僕は…インキャだ」

「お兄さん…私もインキャだよ」

「嘘だね。君は順風満帆なヨウキャだ。

俺は…もう疲れた。」

「お兄さん大丈夫?」

「嫌な過去を思い出しただけだ」


・・・


・・・


「お兄さんの趣味は何ですか?」

「読書とゲームと仕事とキャンプと漫画とアニメと…色々」

「私もアニメ好き」

「そうなんだ。なんのアニメ?」

「今期のアニメなんだけど」

「ごめん、俺が好きなの30年ぐらい前のアニメだから話合わないね」

「ごめんね?お客さん怒ってる?」


・・・

「帰るわ」

「あ、うん」


・・・

「ただいまマリー」

「お帰りムシロ」

「みんな低俗だよ。生きてるだけ。

ただ生きてるやつに価値なんてない。家畜の餌になれば良い?」

「どうした?ムシロ。

ほら、ちゅーしよ」

「マリー、今日は気分じゃないんだ。ごめん。おにぎりある?」

「あ、うん。お茶もあげる」

「ありがとうマリー」


・・

・・・・


「はははははは」

「でさーフウマくんが結婚とかマジでビビる」

「それなー!ジョリーズは、恋愛禁止とかじゃねえけど、もうオワコンだわ」

「それなーてか最初からジョリーズとか」


「うるさい。

ここは、電車の中だ」


「あ、すみません」


「ねえ、お兄さん飲んでかない?」

「僕はお前を殺したくなるほど、今イライラしてる」

「…お前、それ脅迫だぞ」

「脅迫じゃない。俺は今すごくイライラしてるんだ。

人間に、人間に対し、愚かな人間に対して、憤りを感じてる。

僕は今なら人を殺めることだってできるかもしれない」

「お兄さん、物騒なこと言うねぇ…

野菜足りてる?」

「俺は野菜が大好きだ。」


・・・

・・・・


「1人だ。

海に1人、僕の隣には誰かいたかもしれない。

でももう求めない。誰も。

1人で生きて1人で死ぬ。恐怖なんてない。

人生はつまらなかった。

みんな死ねば良いのに。

21以外、僕が本気で愛して、今でも愛してる女21。

可愛らしい声、高い鼻、ふんわりとした髪型。3年前、僕は君に恋をしていた。

君とは、2度と話せなくなったね。

だって君はサーバーから消滅したんだから」



「ねえ、好き。本当に好き。いつ会える21ちゃん!」

「今なら会えるよ」

「明日…仕事なんだよね。送金だけするね」

「ありがとうムシロくん」



「その向こう側に未来なんてなかった。

人生は結局退屈なものだ。

仕事ができる男の人生なら少しは変わったのかもしれない。

ありがとう、さようなら」



「生きてる…

なんで?」

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