表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/43

選択

 こちらは歩が二部隊、に銀、角、そして飛車。向こうはポーンが二つにナイトが一つ。そこまでしてようやっと兵数がこちらに有利へと傾いた。

 …………きついな。

 両軍の兵数は同じ。ならば駒数の多いこちらが一部隊あたりの人数が少ない。それ即ち一対一における状況の局地的な不利が生じるということ。

 しかしそしてここを突破すればキングは目と鼻の先。クイーンがおるとはいえ、現在6四に利きはない。

 攻めるべきは今か?

「信長!」

 この争乱が包む戦場で、はっきりとした聞き覚えのある声。そうか角行には奴がおったな。しかし本にやつは声が大きい。将としては武器になるが、あの頭ではな。

「随分と無茶してくれるな。そんなにこのマスが重要なのか?」

「儂は無茶は嫌いじゃ。全ての行動に意味がある。当然であろう?」

「今更お前の実力を疑いはしないが、こうも真意が見えないとな」

「不気味か?」

「そういう訳ではないが……」

「よい、気にするな。人は理解の範疇を超えた時、不気味さを抱く。決して其の者と関わるなと、警告するために」

「お前がそういう感情を理解出来るとはな」

「儂とて人よ。不気味さを抱くことだってある」

 懐かしい感情じゃ。いつ以来か。マムシと言葉を交わした時か。今川と対峙した時か。信玄坊主を初めてみた時か。それとも──

「──今か」

「なにか言ったか?」

「気にするな、独り言よ。さて、部隊の指揮は任せる。儂がするより、貴様がした方が良かろう。それに儂は大局を見極めるのに忙しいでな。ほら行け! 行って戦死して来い!」

「縁起でもないことを言うな!」

 さて、ここからどうする? 普通ならばこの大乱戦の圧に押され、キングの守りを固める。

 しかし儂は知っている。分かっている。理解している。

 彼奴と儂は似た者同士。故に分かる。儂が分かっておることを彼奴も分かっている事も分かっておる。

 彼奴はここで守ることを選択するような奴ではない。守るぐらいなら攻める。例え押されていたとしても攻める。

 そうであろう、ナポレオン・ボナパルト?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ