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所有物

「くっ、殺しなさい!」

「さて、此奴をどうする? 最後突撃してきた根性は褒めてやる。が、戦は戦。敗軍の将は何かしら処さねば格好がつかん」

「今回の戦の功労者は信長さんです。信長さんがお決め下さい」

「ふむ、いざ任せられれば特に思いつかんのう……」

「早く決めなさいよ! 煮るなり焼くなり好きにすればいいでしょ!」

 さて、これからの事を考えるならば、敵の士気を挫く事に使うが良いか。

「兵の慰み者にした後百叩きにし、四肢を引き千切った上で、生皮を剥いで送り返すか」

「ヒッ――!」

「そ、そういうのはちょっと」

「駄目か?」

「流石に女性にそんなことは……」

 戦に出てきた以上覚悟はしておるはず。男も女もなかろうに。

「では市中引き回しの上――」

「いやいや。女の子なんですからもう少しなんとか」

「血が見たいんじゃが、駄目か?」

「そんな上目遣いに甘えるような仕草で物騒なこと言わないで下さい!」

 殺さなければ良いというわけでもないのか。甘いやつじゃ。儂とは似ても似つかんな。

「や、やってみなさいよ……」

「声が震えておるぞ」

 素直に悲鳴を上げればまだ可愛げがあるというに。

 軍事には使えんとなると。ふむ……。

「な、何よ?」

 しかし此奴、近う見れば中々な美貌。そして王女という地位。

「カハハ……」

「な、何よ? 薄気味悪い声だしても怖くないわよ!」

「貴様等此奴を処遇は儂に任せると言うたが、異論はないな?」

「ええ、まぁ」

「殿下がそうおっしゃられるのならば私はそれに従うまでだ」

「女、お前も好きなようにすれば良いというたな? そう言うたからには嫌とは言わせんぞ?」

「い、言ったわよ!」

 既に涙目になっておるわ。にも関わらず精一杯の虚勢。これはこれでそそるものよ。

「よし、決めた。此奴は儂が貰う!」

「「「は?」」」

 まさか三人全員が呆けるとは。それほど予想外じゃったのか?

「それは捕虜ということですか?」

「違う。言葉通り所有物とするということじゃ。返す気など毛頭無い!」

「…………お父様が取り返しに来ても知らないわよ?」

「こちらから攻める手間が省けるというものよ。主、名は何と申す?」

「アンリユート…………アンリユート・センドリッヒ」






「信長さん、いらっしゃいますか?」

「おお、来たか。入るがよい」

「駄目ぇ!」

「ええ!?」

「所有物は黙れ」

「駄目ったら駄目!」

 うるさい所有物じゃ。犬でも叱ればもう少し静かになるぞ。

「あの、どうすれば……」

「儂は入れと言うておる。そして此奴は儂の所有物。物が少々音を立てた程度でたじろぐな」

「では失礼――しました!」

 入ってくるかと思えばいきなりドアを閉めおった。不思議な事をするやつよ。

「どうした? 入らんのか?」

「何で全裸なんですか!?」

「全裸? 服なら着ておるが?」

「信長さんではなくアンリユートさんの事です!」

 此奴は物じゃと言う取るのに。頭の硬いやつじゃの。

「しかしな、ルールはルールじゃからな」

「ルールって。何をどうしたら全裸になるんですか!」

「なに、あまりにも暇だったのでな。もし儂に一勝でもできたなら自由の身にしてやると言うてチェスをしていたのじゃ。しかし儂だけ負けた時損するのも癪じゃったのでな。儂が勝つ度に一枚ずつ身ぐるみを剥がしていった。そして最後の下着が無くなったのが一つ前の試合」

「なるほど、それで全裸に…………一つ前?」

「うむ、そして貴様が来る直前チェックメイトしたはいいが、もう脱がす布もなし。そこで聞きたいのじゃが、貴様は未だ童貞か?」

「冗談でしょ!? この私がなんであんな冴えない男と!」

「……グフッ」

「あ~あ、言うてしもうたのう」

 儂も最初間違えたから人のことは言えんが。まぁ過ぎたことはどうでも良い。

「とりあえず服を着させて下さい。必要なら用意させますから」

「全く初心な男よ。しかし服を着させるのはならぬ。此奴も同意の上の勝負じゃったからな」

「しかしこのままでは目のやり場に困ります!」

「仕方ない。では罰を変えるか。モブはその場で待っておれ」

 振り向いただけで体を震えさせるとは。よほど儂に怯えておると見える。

「……な、何よ。その不敵な笑みは」

「そう警戒するでない。難しいことは求めん。ただ……」

「……ただ?」

「――そのたわわに実った胸を揉ませよ!」

「ちょっ、やめッ……あんた女でしょ!?」

「今はただのおっさんじゃ!」

「いやぁぁぁぁああああああ!!!!」

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