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第五十二話 予期せぬ来訪者

 翌日の夜。料理屋マホウツカイで会議。


「AからCチームは――」


 ほとんどミュー任せだ。たまにウッドさん。


「了解した」


「では会議はこれで。お料理をお楽しみください」


 お店の人達が次々と料理を運んできてくれた。


「いやー、緊張した。みんなには理解してもらえたかな」


「堂に入っていたよ」


「まったく、うまく説明したものだ」


 ウッドさんから眩しい笑顔が放たれた。


「はは、ありがとうございます」


 動じないミュー。むしろほとんど人任せにしていた俺にダメージが入りそうだった。


「じゃあ明日、お互い頑張ろう」


「はい」


 ウッドさんは仲間たちのもとへ。


「いよいよ明日かー」


「今日は飲みすぎないようにしないとね」


「違いない」


 適度に飲んで今日は眠った。


「では皆さん、馬車に乗り出発しましょう」


「おー!」


 90名の冒険者が馬車乗り場に集まり、ミューの一言で出発。


「さすが王都、90人移動させる馬車が余裕で集まった」


「ふふふ、そうだね」


 移動して1時間、目的地に到着。


「では偵察チーム、先鋒よろしくおねがいします」


 まずは偵察。クイーンスパイダーを見つけるのは比較的簡単。スパイダーを見つければいいだけ。スパイダーは基本クイーンを守っている。彼らがいることで自分の女王が知られてしまうのは総称可愛そうな気がするな。


 大変なのはそこから。一匹一匹が強い上、大量にいる。ちなみに人数が欲しい1番の理由は一人、もしくは少数パーティでは逃げられてしまうことにある。むやみに突っ込んでいっても奥に逃げられてしまう。周りを囲みながら戦う必要があった。

 ウッドさんの話を聞いて知ったことだけどね!

 しばらくして偵察チームが帰ってきた。


「スパイダーが見当たりませんね」


「うーん、かなり広大な範囲を探したのに見当たらないとは」


 ウッドさんが首をかしげる。


「それどころか、森にいる魔獣が少ない気がする。いや、もしかしたらいないかも」


「それはおかしいな。一体何が起きたんだ」


「これは気味が悪いね。安全なようで逆に危険な気がする」


「その可能性もあるな」


「こうしよう、腕に自身があるものだけで森の奥へ行ってみようか」


「それが妥当かもしれませんね、決定で」


「森へ行くメンバー以外は少しここから離れていてもらったほうがいいかもしれないな。現状何が起こるかわからないから」


 皆を集め説明をする。

 8人で森へ侵入することにした。他の人達は少し森から離れてもらって待機。


「いざ森の中へ」


 森に入ってから30分、確かにスパイダーどころか魔獣が一匹もいなかった。


「ウッドさん、今までこんなことってありました?」


「私もここへ来たのは2回目でよくくるというわけではないけど、それでも0ってことはなかったね」


 それからまた10分ほど森の奥へ進んだところで、一人の冒険者が何かを見つけた。


「おーい、ありゃクイーンスパイダーじゃねえか?」


 一人の冒険者がクイーンスパイダーを見つけた。


「これは……」


 大きなクモが八つ裂きにされて絶命していた。その周りにはおびただしい数のスパイダーが。


「さらにこの場所、木が何十本と切り倒されてますね。何者かと争ったのでは」


「他の冒険者かな?」


「それならクイーンスパイダーを放っておかないはずだ。ほれ、討伐証拠品であるクイーンスパイダーの触覚が残っている」


「確かに。体にも手を付けてないしな。結構な金に、素材になるっていうのに」


 周りを見渡す。スパイダーは押しつぶされたり斬られたりと様々な死に様。クイーンスパイダーは斬られたり突かれたり。木はなぎ倒されたり斬られたり。

 斬られている場合はいずれも見事な切り口。まるでよく切れる刃物でばっさりとやったように。


「ん? 何やら光る物が」


 短剣程度の大きさの両刃の刃物が落ちていた。いや、これは刃物じゃない、角だ。

 こいつはまさか。


「ルォーーーーーン!」


 突然、上空から巨大な咆哮が聞こえた。


「全員この場から逃げろ!」


 俺は大声で叫んだ。


「ぐっ、なんだかわからんがやばい雰囲気ってのはわかるぜ」


 冒険者達は即森の中へ逃げ込んだ。


「ズドーーーン」


 魔獣が広間に着地。とてつもない地響きとともに土煙を上げた。


「なんだありゃあ」


「魔獣か? 見たこと無いな」


 ウッドさんも知らないか。様子を見るに皆も知らなそうだな。こいつはゲームに出てきている。

 名は『バーストコーン』。馬のような見た目、漆黒の体で大きな羽が生えている。それよりも何よりも特徴的なのは角。頭から生えたそれは、角というよりも大剣。なるほど、見事な切り口だと思っていたがこいつの仕業だったか。


「ルィーーーン!」


 我を忘れたかのように暴れ狂うバーストコーン。

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