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第四十五話 『I.S.Z.』の『T.R.U.C.K.』

 ドルンゴの宿で部屋を取る。


「あ、来た来た。トマニクまで行っていたのね」


 後ろから声をかけられた。ファムだ。


「石が割れてね。その後最後の石もを割って来たところだよ。魔女式魔力アップはこれで終了って言ってた」


「ん~、まるで別人のような気配ね」


「ところでジェイトさんは?」


「技を伝えたらそのまま旅に出ちゃった。余生はブラブラするって」


「ふむ」


「ちょっと付き合ってよ、サイモン」


「いいとも」


 三人でギルドの近くにある闘技場へ。二人共武器は無しの素手。


「ちょっと奥義を試してみたかったのよ」


「ほほう」


 ファムは構えた。見たことのない特殊な構えだ。


「エルフ族奥義、『T.R.U.C.K.』」


 高速でこちらに突っ込んでくる。俺に当たる瞬間、肩から腕を固めた。ショルダータックルと裏拳を合体させたような技だな。


「ドガァーーン!」


 ガードをしたが地面を削りながら3メートルほど後方に押された。


「ほぉ、こいつはかなりの威力だ」


「さすがね、サイモン。100メートル後方の観客席まで吹き飛ばすくらいの気持ちで撃ったんだけど」


「そしてこの技の本質は打撃を加えた時の方向にあるようだな」


「そこまでわかっちゃうか。そう、相手にダメージを与える場合は下方面に向かって技を放つのよ。そうすることで力を残さず伝えられるの」


「ふむ」


「ブヒュン」


 近くでは高速でミューが飛び回っていた。


「なにそのスピード!?」


 少しして地面に降りた。


「今までは翼のイメージで飛んでいたんだけど、滝のように水を、魔力を流すようにしたらスピードが上がったんだ。が、魔力の消費が凄まじいね。そりゃそうか、魔力を垂れ流してるわけだから」


「ほえー、魔力量か。それはちょっと真似できそうにないわね」


「魔法剣の方はどうだ?」


「前にサイモンに見せた魔法剣覚えてる?」


「ああ、剣の長さを延長するやつだったな」


「あの時は大剣くらいの長さまで伸ばすのが限界だったけど今は」


 ミューは剣に魔力を込めた。竜巻のような風がミューの周りに発生する。その中でミューの剣はぐんぐんと伸び、高さ20m位のところでようやく止まった。


「うは、凄いね」


「ちょっと魔力の使い方が雑なんだけどね。本来はこの風は発生させちゃいけないんだ。うまくコントロールできるようになれば30メートルくらいになると思う。もちろん威力も上がっているよ」


「ははは、ソイツをここで振り回すわけにはいかないな」


「うん」


「学園長が言っていたデラニウムの剣が楽しみだなぁ。まだ強くなるのかと」


「はっはっは、私も負けていられないわ」


「いやいや凄いですね、あなた達」


 金髪で長髪、ローブを羽織った魔法使い風の男に話しかけられた。


「あなたは?」


「これは失礼。私は王都No.1ユニオン、カラロッカ団の団員、ボア・エダという者です」


「サイモンです」


 皆挨拶をした。


「単刀直入にお話をさせていただきます。我がユニオンにお入りになりませんか? その力なら幹部クラスにもすぐになれるかと」


「あ、申し訳ありません。我々はトマニクを拠点としているんでこちらではユニオンに入ることを今のところ考えていません」


 ミューが話に入ってきてくれた。助かります。


「んー、そうですね。そういうことなら仕方ありません。ただ、王都を拠点とする時は是非我々カラロッカ団へ」


「では失礼します」


 男は丁寧にお辞儀をし去っていった。


「ユニオンって初心者講習で言ってたやつか」


「うーん、その辺色々あるからちょっと喫茶店に行って話をしようかな」


 三人は闘技場から出て近く喫茶店へ。


「初心者講習だと、一人一人の集まりがパーティ、そのパーティの集まりや数多くの冒険者達の集団のことをユニオンって言う話だったね」


「トマニクではそこそこ長く活動してきたけど街が混乱してユニオンがなくなったのかもしれないね。ユニオンは基本的に自発的に発生するものだから」


「ユニオンに所属しておけば、ちょっとした問題、例えば人数制限があってちょっと足りないなんてときにユニオンに相談して人を貰う、なんて感じにやれるわけだ」


「うんうん、講習でもそんな事を言っていたね」


「王都には大きなユニオンが2つ、さっき言っていたカラロッカ団とエンド結社というところがあって、この2つのユニオンはいつも覇権争いをしているそうなんだ」


「メンドそうな話だな」


「実際面倒で片方のユニオンに入っているともう片方から嫌がらせを受けたりするそうだよ」


「うわー、最悪だな」


「王都でユニオンに入ってもマイナスしか無い。というわけで、もし王都を拠点にして活動する時はユニオンには入らないようにしよう、ということで」


「わかった」


「とにかくこの方針で。強引に勧誘してくることがあるからその時は適当に断って」


「なんだか罠みたいになってるのね……」


「そのあたりはギルド側も流石にわかっているようで、ここで冒険者になる時はそのユニオンの内情なんかも詳しく説明するそうだよ」


「なら、マシなのかなぁ」

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