第三十九話 空の旅
「依頼を――」
女性に説明する。
「わかりました。少々お待ち下さい」
紙に数字を書き込みながら何やら計算しているようだ。
「はい。これが依頼料となります」
「はっはっは、やはり結構な額になるな。あ、支払いは問題ないです」
「支払いはいつにします? 今からでも良いですし、後で受付に渡していただいてもいいですよ」
「そうだね、大金だからここで処理してもらったほうが安心かな」
「ではちょっと待っていてもらえますか」
銀行でお金をおろしギルドへ戻る。
「お待たせしました」
「はい。ではもう少ししたら依頼が発行されます」
「わかりました」
ギルドから出る。
「依頼を頼むって案外しないから貴重な体験ができたね」
「そうだな」
「もう夕方か~。ご飯食べよ」
学園長おすすめの店に行くことにした。
「活気があって楽しいお店だな」
「安くて美味しいなんて良いお店ねぇ、ガブリ」
ファムは肉にかぶりついた。
「学園長、わかってるじゃない」
ミューはうなずきながらお酒を飲む。
「さーて、明日からまた旅だね。直接竜の国を目指す? それとも一旦トマニクに戻る?」
「一旦トマニクに戻ろうか。買い出しに来た竜人族の人に色々と聞いてみようかと。アネスの件もあるしな」
「そうだね、そうしよう」
食後宿で一泊。
「トマニクへ~」
馬車に乗りトマニクへ。
「竜人族の買い出しは明日だったな」
その日はのんびりと過ごし次の日。
「あー、うちの国にあるけど希少金属だねぇ。国宝級レベルの」
「やはりそうなりますか。簡単に手に入るのなら運んできてもらおうと考えたのですが」
「となると、一旦竜の国に行って挨拶してってところからかな」
「ここからだとエルフの国まで7日、そこから竜の国は3日くらいかな」
「結構かかるんだよな」
「一人だけなら乗っけてってもいいよー。もちろん運賃は取る。うちらなら2日で着くぜ」
「おお、それは非常に助かります」
「買い出しはまだ時間がかかりそうだし、準備でもしててくれ。出発するタイミングでそちらの家に迎えに行く」
「わかりました」
「じゃあ俺が行ってくるかな。アネスの件はそのままでいいか。普通に旅をするなら連れて行こうかと思ったけど」
「うん。それと念の為お金も持っていこう。国宝級なら私達の全財産でも足りないだろうけど」
「無理なら無理で諦めるさ」
銀行でお金をおろし家で待つ。
「お待たせー。行こうか」
「ではいってくる」
「いってらっしゃーい」
広場に荷物が山のように置いてあった。
「これを皆で運んでいくんだ。座りやすいところにでも乗っかってくれ」
「はい」
数人の竜人達が荷を縛っているロープの先を持って飛翔。
荷物とともに俺は空へと。
「眺めが良いなー」
「はっはっは、コイツは竜人族の特権かな」
途中何度かキャンプをして2日後、竜の国に到着。
「ここが竜の国だ」
岩山に取り囲まれた土地。そこには無数の竜人達が飛び交っていた。
じっくり観察していると岩山にたくさんの穴が空いている事がわかった。その穴を竜達が出入りしている。
「あれが俺達の家なんだ。人間とはだいぶ違うだろ?」
ワッハッハと笑いながら説明してくれる陽気な竜人。
「ここは街なんですか?」
「そうだ、店もあるぞ。ほれ、看板も出ている」
「本当だ。それにしてもやはりというか人間は居ないようですね」
「交通手段が非常に限られるから人間のお客さんは滅多に来ないな」
「あ、これ運賃です」
「おう」
「あそこに一際大きな岩山があるだろ? あそこに竜王が住んでいる」
「行ってみます」
大きな岩山の大きく穴が空いた場所に竜の兵士が門を守っていた。
「おや、珍しい。人間のお客さんとは。ん~? 君は」
おっとっと、と口をふさぐ兵士。もしかして王との戦いの時にいたのかな? となると話は早い。
「オリハルコンよりも固い金属を探しています。国宝級という話を聞いたんで王様にお話だけでもさせていただきたく」
「なるほど、それはたしかに国宝級だ。サイ……、あなたの名前は?」
「サイモンです」
「あっ! サイモン殿!」
後方、上空から声が聞こえた。ソメノ王女だ。
「どうしてこんな辺境に?」
「ええ、用事がありまして」
「おかえりなさい、王女様。これならおまかせしてしまったほうが良いかな。――というお話でして」
兵士が王女に説明をしてくれた。
「それなら私が直接父上に話しをしてきます。サイモン殿を客間へ」
「かしこまりました」
「あ、無理にとは言いません」
「わかっております。お任せください」
流石に国宝級という話だからな。正直今回は難しいだろうと思っている。




