始まり
暗闇の部屋の中。俺は目の前にある画面の中を覗き込む。そして、全神経をその画面越しにいる美少女に対して注ぐ。その美少女は髪の色 顔 輪郭 性格 その全てが俺が望んでいる物以上だ。要するに、モロ好み。この美少女からは一瞬たりとも目を離さない。それと同時に脳をフル回転し、考える。
どうすれば、この美少女をこの画面という名の牢獄から連れ出すことができるのか考える。
まぁ、そんなことは思いつくわけがない。
俺がこの美少女と出会ったのは、中学三年の時だ。
深夜にテレビをつけると、たまたまアニメをやっていた。当時アニメなど興味がない俺はすぐにチャンネルを回そうとした。
しかし、俺の目はある者に釘付けになった。いや、ある美少女に心を奪われてしまった。という方が正確だろう。今までたくさんの女を見てきたが、このアニメの少女は別格だった。こんな2次元などに心を奪われてしまっていいのだろうか。最初はそんな戸惑いもあったが、すぐにそんなのはどうでもよくなった。
俺は理解した。俺は2次元のこの美少女に恋をしているのだと。
俺は寝る前にこの美少女を目に焼き付けて、静かに眠りにつく。これが俺の1日の終わり方なのだ。
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