ガイド(リアル守護霊)怒って登場
前に戻します。
ただ前の話を忘れているので、違う物になるかもしれません。
突然部屋の隅から大柄な男が、大股で歩いて中央にやってくると、大きな音を立てて座り胡坐をかいた。
地淵の本当のガイド(守護霊)である。本来、ガイドクラスになるとエネルギー体という物になり、顔立ちは見えない。
「おまえら地淵を甘やかしすぎだ」ガイドはすくっと立ち上がり仁王立ちになった。
「まず、まゆみさんだが、あんたが甘やかしたから地淵は彼女も作らず人生を棒に振ったのと違うか」
ガイドはまゆみ相手に指を突き付けて叫ぶ。
「あたしだって、一所懸命やったよ。マニュアル読ましたりとかさ」まゆみもタルパの中では強気な方である。ガイドと角突き合わせて一触即発になった。
「いいや、甘いね。あまあま大甘だ。あいつにナンパさせたりとかしたか?してないだろう」
「ナンパは趣味じゃない。彼のキャラに合わないでしょ」
「なら問うが、あいつが女性に惚れられるような活動をアドバイスしたか、何もしないで彼女面して甘やかしていただけじゃないか。違うか」
そう言って迫られたまゆみは二の句が告げられなかった。
「だいたい地淵もあめーんだよ。DTPデザイナーで食いたかったら、家出て行けよ。そしてアルバイトで食いつないで、デザイナーやれよ」
「発達障害でアルバイトは無理じゃないか」守護霊が反論した。
「肉体労働ならなんとかなるんじゃねえのか。もっともヒョロガリの地淵に肉体労働ができるか疑問だがな」
「つまり、ガイドさんは、彼に筋トレをさせなかったことに原因があると」
「その通り。お笑いオーディション受けてる時だって働いてないし。クリエィター目指すんなら食い扶持は自分で見つけるこった」
言うだけ言うとガイドは、広い歩幅で地面を揺らしながら去って行った。
「このあたしがガンつけで負けるなんて」悔しそうに唇をかむまゆみ。
「ガイドはこうやって、月に数回現れては、檄を飛ばすのだが、当の本人はどこ吹く風」
「まあ、地淵とは水と油だから難しいでしょうね」
ガブリエルは、もしガイドが地淵を直接指導したらと空想したが、いかにガイドといえども怠け者の地淵を動かすのは並大抵でないと直感していた。