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悩むガブリエル

話しがつながらなくなったので変えます。前に、これ読んだ方、すみませんでした。


ガブリエルは、地淵の現状をモニター越しに見ている。その傍らに金髪の似たような男がいた。天使仲間のウリエルである。


「やあ」ガブリエルは生気のない声を上げた。輪の端が閉じていない投げ輪のように安定感がなくふらふらとしている。


「その調子だと厳しそうだな」ウリエルは心配そうにガブリエルの表情とモニターの中の地淵を見比べていた。地淵はすっかりやる気をなくしていた。接着剤を背中に貼り付けたゴキブリのようにベッドに寝そべる。考え事でもしてるのだろうか、微動だにしない。


「彼の平常運転だ」ガブリエルは呆れた表情で、伸びをする。両腕が頭の後ろで交差し、そのまま後頭部を支えた。フランスパンを丸呑みしたトドのような唸り声をあげて、背もたれに背中を預ける。


「何か発奮材料があればいいのだが」ウリエルは心配そうにモニターに見入る。やや猫背になったウリエルは、背中の羽根を少し揺らして、軽くストレッチをした。


「ここは小休止でもさせるしかないな」ガブリエルは諦めたように、首を小刻みに回すと、手を握り締めて肩を叩く。画面の中の地淵は動かないままじっとしている。彼は本当に考えているのか、ウリエルは気になった。


「なあ、ガブリエル。どうして神は、あんな奴の所に君を遣わしたんだろうね」前から気になっていたことを訊いてみた。もっともガブリエルにも答えられないだろうが。案の定、ガブリエルは、指をこめかみに当てたまましばらく目を閉じて、考えたふりをしていたが「謎だ」とつぶやくと椅子から立ち上がり、周囲を歩き始めた。


「私が思うに、彼は変わるんじゃないかな」と苦し紛れの解答をウリエルに向かってひねり出した。


「だが、その兆候もないし、本人は寝転がったままだぜ」と彼の思い付きでしかないことを突き付けると、ガブリエルは、軽く笑って、また椅子に腰かけた。


「明日、天上界で神に直接聞いてみようと思う」ガブリエルは、それだけを伝えると、羽を広げて外へ滑空していった。


「果たして、神がそう簡単に宿題の答えを出すだろうか」ウリエルは、気晴らしで飛び出していったガブリエルの後ろ姿をいつまでも見続けていた。やがて、彼の姿は空の一点と同化して見えなくなった。


「神の宿題か」ウリエルにも神の真意は量りかねていた。地淵はあいかわらず画面の中で、起きるのを忘れたコメツキムシのように寝転がっていた。



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