表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/19

一人残ったガブリエル

思い出した。こんな話だった。

 丸く並んだテーブルにかっての賑わいはない。一人に残ったのはガブリエルだけだった。守護霊もガイドもまゆみも皆、地淵を見限っていなくなってしまった。


 地淵の今までの行いを見たら、誰もが愛想をつかして当然だった。ガブリエルは一人残務整理をしている。地淵の半生を知り、何をすれば人生を立て直せるかを模索していた。


 地淵のWAISを手に入れる。算数と符合以外の点数は高く。宝の持ち腐れとも言える状況だった。

「やはり生来の怠け癖、自己中心的な性格が足を引っ張っているのだろうな」ガブリエルは確信を強めた。


 発達障害者は、自分の凹を恵まれた凸で補おうとする。だが地淵にはその傾向はみられなかった。著しい意欲の低下。これを埋めるための算段が必要だった。


 かって地淵が、熱心に勉強していた物事についてガブリエルは調べていた。漫画描きとハングル、この二つは、連日練習を欠かさず。漫画の模写はペンを使って毎日行っていた。それは結局、友人たちとの宴会で強制的に潰された形となっている。同級生は語った。「育ちゃんの絵じゃ金はとれないよ」


 ハングルも毎日音読していた。中年過ぎてからの学習で成果は上がらなかったが、それでもどうにか読みこなせられるようになったころ、父親から怒鳴られハングル学習を辞めている。根性のなさが、課題でもある。他人の申し出に押し切られやすい傾向がうかがえる。


 そして、地淵のエゴグラムも手に入れた。極端に低いNP(養育的な親)とA(成人)この二つさえ上げることができたなら、地淵の人生は良い方に転がると思えてきた。ガブリエルは、地淵に働きかけ(ルール違反だが)交流分析を学ぶように勧めた。


 地淵もとあることで危機感を抱いていたらしい、このままでは永遠に不幸なままだと感じていた。ただエゴグラムにも問題がある。地淵は判定する時に、辛い点数をつける傾向がある。この極端なエゴグラムは、現実を反映していないかもしれない。もう少し客観的な評価が欲しかった。


 かって地淵を観た姓名判断の鑑定士はこういった「危ないことに首を突っ込む傾向がある」と、その理由はわかる。ADHDは、スリルを求めるあまり、危険なことを求めたがるらしいのだ。地淵もADDがあるので、そのせいだと思われた。


 人生を順風満帆に渡るうえで、様々な所に欠陥を持つ地淵。特に三大アキレス腱は、「仕事」と「健康」と「恋愛」である。恋愛はともかくとして、仕事と健康はどうにか底上げをしないとと、ガブリエルは思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ