再スタート
投稿します。
「クロス!」
「う、うん?」
俺は寝ていたのか……クロス?俺のことか。
「突然倒れたから心配したわ」
「ごめん、なんか立ち眩みを起こしちゃってさ~」
そうか俺はクロス・アステックというのか。
平民出身でこれからかつての母校であるレインズ魔法学校に入学するんだったな。
魔法の成績はそこそこだったらしいくどうやら昔の俺の人格と記憶が戻るまで魔力は抑えられていたようだ。
「明日からレインズ魔法学校の寮に入るのに大丈夫?」
「大丈夫だよ母さん」
明日の汽車で出発だったな、サングラモアという街から学校に直接行く汽車に乗る予定だ。
「とりあえず晩飯を食べたら今日は寝るね」
「それがいいわ。この家で食べる夜ご飯は当分お預けになるけど大丈夫?」
「ちょっと寂しいけど我慢するよ」
うちには父親がいない、母であるジョリファ・アステックが女手一つで育ててくれた。
転生はしたが記憶はしっかり受け継いでいるし感謝の心を忘れるつもりはない。
「お母さん育ててくれてありがとう」
クロスのこの体を無事育ててくれたのだ、感謝してもしきれないほどだ。
「今更何言ってるんだい、明日から頑張るんだよ」
「うん!」
ここは子供らしくいかないとだな……俺は今トピオ・クリスタルパレスではなくクロス・アステックなのだから。
◇
次の日の朝母に見送られ俺は電車に乗った、サングラモアまでは数時間でそこから学校行きの汽車に乗る。
そこには同じように入学する生徒を乗せる専用列車に乗るようだがそこは昔と変わらないのだな。
「昔を思い出すね~」
汽車の中で友達探し、あれは当時からの定番だったけど今はどうなんだろうな~
汽車を乗ること数時間サングラモアに着き乗り換えた、昔と違い色々発展してショックが大きいが十五歳までの記憶のおかげか新しく感じることはない。
「さてこの汽車か……」
レインズ魔法学校行きの汽車に乗り込む、周りを見ると同級生になるであろう生徒の姿がたくさんいる。
出発は十分後で入学する生徒は付属性を含め二〇〇人、ちなみにこの学校への入学は魔法力高さが要求される。
そのせいか前世の時も貴族が多かったし俺も貴族だった。ただ完全実力主義だったので貴族でも魔法力がなければ平民にも劣った。
現に俺の世代の主席は二人いたがその二人は貴族ではなかった。俺は三席だった。
俺は汽車へと乗り込んだ。
「昔に比べたら色々豪華になったな~」
汽車の中で一泊するので部屋が決まっている、さて俺は六号車の六号室だ。
確か相方がいて二人部屋で前世の時はその相方とは結局親友になったな……ラクティよ、お前との出会いを俺は忘れないぞ。
そんな出会いに期待して俺は扉を開けると部屋には一人眼鏡をかけた男がいた、真面目そうな感じだが果たしてどんな感じなのか?
ラクティの奴は出会った時は気弱な感じだったがフレンドリーな奴で俺にくっついていたな。
あいつが俺達の世代の第五席だったのは自分のおかげだと自負している、何しろ主席二人とも仲がよかったからな。
「どうも、クロス・アステックというものです、よろしくお願いします」
こういうのは何事も最初が肝心だ、部屋にいたのは金髪の上品な恰好の男の子だ。
「僕はアラン・マンデュロだ、君は平民かい?」
「ああ、君は貴族かい?」
「そうだ、とりあえず僕のことはアラン様とでも呼ぶがいい。貴族と平民の違いははっきりすべきだからね!」
アランのいきなりの高圧的な態度に唖然としてしまう……うん?これはまさか外れを引いたかな……
「えっ……でも俺達これから一緒に魔法を学ぶ学友じゃないか?それにあの学校は実力主義だし」
俺の言葉にカチンときたのかアランが怒鳴り始めた。
「君は英才教育を受けてきた貴族がろくに魔法も学べない平民に負けるとでも思っているかい?有り得ない……魔法を小さい頃から学んでいる貴族を馬鹿にしているのか君は?」
はぁ……この男はいったい何を言っているんだ。
そもそも貴族だから魔力が高いわけではないし平民だって魔力の高い者はいるわけで……確かに貴族は高位魔導士同士での交配で生まれる子供が魔法の素質が高くはなりやすいが平民が劣る理由にはならない。
教育で劣っていたとしてもこれからの教育でさらに上がる可能性は充分にあり得る。
「でも魔力量によってじゃないかな?」
「黙れ!魔力が仮に高くても所詮は下賤な平民だよ。レインズ魔法学校では主席はずっと貴族なのを君は知らないのか?それどころか平民はトップ十にすら入れていないんだ。つまり貴族の方が絶対ということさ」
昔は平民でもよく入ってたし貴族のトップ十独占なんてほぼなかったはずだが……どうなってやがる。
「まぁ女は交配のために役にはたつ。綺麗ならなおさらな。お前も夢見がちなこと言わないで学校は行ったら大人しく俺に従うことだな」
アランの高圧的な態度が俺の沸点を上げどす黒い感情が湧きあがる。
はっ、何ほざいてやがる糞餓鬼が!魔女飼い様に向かってよくそんな口をたたけたもんだ。
学校着いたら実力の差を教えてやんよ。
「悪いけど君に従うかどうかは学校着いてから考えるとするよ」
「そうか、せいぜい誤った判断をしないことを祈っているよ。何しろあの学校に入るぐらいの素質はあるんだろうからね」
俺は部屋にいるとアランをボコボコに絞めてやりやくなる衝動にかられたので荷物を置いて部屋をでた。
一応荷物をあさられないようにロックの魔法をかけておいたから問題ない、相方が想像とかけ離れていて俺はがっかりだ……
「はぁ~しかし時代も変わるもんだな……」
客室をでて部屋の食堂車に向かうことにした。
俺の代で主席だったアークルとバヤルドは平民だったが俺は気さくに接したしその二人に限らず対等に接してきた。
もちろん価値観の違いはあったが昔は貴族と平民にそんな差別的格差はなかった、俺含む仲良かった六人は貴族三人の平民三人で主席から第六席までを独占。
トップ十の残り四席もみな平民で埋まっていた。その次の年も主席は平民だったし一体何があったんだか……
「ならせめて平民と同じ部屋にしろってのまったく……」
俺がぶつぶつ言ってると何やら食堂車の前で絡まれている女子一人を発見、どうやら男三人に囲まれているようだ。
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