ここらで打ち明けちゃいましょう♪part2エシリア編
はい、ただいまエシリアさんと執務室に向かっているリリィです。エシリアさんがガッチガチなんだけど。いつも私の前で見せてる態度はどうしたよ!と聞いたら、お嬢様とは格が違うでしょう!それにお嬢様なら慣れているけど旦那様とはめったにあわないんですよ?とすごい剣幕で必死で返されたので、突っ込みようもなく、ただただ無言で長ーい廊下を歩いている最中です。しかも執務室は別棟になっているので、渡り廊下のようなところを延々と歩かなければいけないという。食後の運動なんて言える距離じゃないのはなんでだろう。戦の時責められても大丈夫なようにだって、王宮じゃないのにさ。どんだけ警備万全だと思ってるんですか?日本と大差ないくらいって、この世界のレベルだとトップクラスだよ?こんな屋敷に攻め入る前に、屈強な門番たちにフルボッコにされるよね?こういうところだよね、うちやっぱりチートだって実感するところ。まあそんな無駄話してる間に着きました。
「失礼します、リリィとエシリアです。お父さま、今大丈夫でしょうか?」
「入れ。」
お父さんって口下手なのかな?ぶっきらぼうなだけ?
「お忙しい所を時間を作っていただきありがとうございます。早速本題ですが、実はエシリアも私と同じ存在だということが分かりましたので、説明させてただこうと思い来ました」
どうせ驚かないんだろうね。なんかぶつぶつ言ってるけど。
「エシリア、お前も『げーむ』なるものを知っているのか?」
「はい!存じ上げております。」
あれ、緊張がほぐれたご様子。
「わかった。二人そろったところで言っておくが、お前たちの存在はまあ、なんというか異常だ。悪い意味ではなく、いい意味でな。色々厄介ごとに巻き込まれると思うから、あまり他人には知られないようにしておけ。」
まあ、よくあるやつだよね。
「それと。カトレアの絵が明日には出来上がるそうだから、お前たち二人とも外に出ることが出来るよう支度を済ませておけ。そうだな、朝食の半時ごろ出発だ。服装はなるべく地味で、市井にいてもわからないようにしておけ。」
「ということは、市井に行くということですね?エシリアも侍女服ではないほうがいいのでしょうか。」
「明日は視察も兼ねているからな。なるべく目立たない服装が好ましい。」
「わかりました、楽しみにしていますね!」
市井だって、市井だって!やっとお買い物とかが出来る…かも!
「失礼しました。お父さまも、明日早いのですから早めに寝てくださいね!」
「エシリア、市井だって!何買おうかな…」
「早速買い食いされる気でしたら、私が全力で阻止します。旦那様が許可されたのなら別ですが。」
さっきと急変してる?
「あっれー?エシリア、さっきの態度は何だったの?あんなに慌ててたくせに。」
「あれはあれ、これはこれです!」
焦ってるエシリアは珍しいね。
「しかもね、明日はハロウィンだからお祭りがあって、露店もいっぱいあるんだよ?縁日みたいな感じなのかな?」
楽しみだ。
「ほら、明日は早いんですよ?早く湯あみをして、寝ないと。私にも準備はあるんですからね。」
「ハーイ。じゃあね、エシリア。おやすみ!」