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「ただいま、ユメノ」
「おかえりなさいませ」
「大変だったんだから」
「それは、どうして?」
「ジュリアが盗賊に捕まったんだよ」
メルローが嫌味にそう言う。
「まあ、お疲れ様の様ですし、休みにしたらいいんじゃないかな?」
「そうしよう」
ジュリアは、疲れて限界の様だった。
「わかった。しっかり休め、それとユメノ! 訊きたいことがある。明日訊いてもいいか?」
「あっ、はい」
ジュリアはいつのまにか寝ていた。
☆ ☆ ☆
次の日になって、ユメノの話を聞くことにした。
「ユメノは、いったい何のサーバントなのか疑問に思っていたのだけど」
「ああ、それなら、『支配のサーバント』だよ。だから、サーバント達を従えることが出来るんだ」
「『支配のサーバント』か、通りで、サーバントが言う事を聞くわけだ。ほぼ、お前に操られていたんだな」
「そうなんだ。よく気が付いたね、メルロー、サーバントの心を支配しているのさ」
「でも、それじゃあ、契約違反なんじゃないの?」
ジュリアが口を挟んだ。
「う~ん、でも、サーバントとサーバントの合意だから、クライアントとは法律が違うんじゃないかな?」
ジュリアは考えた後。
「そうね、サーバントの事は、サーバントに任せましょう」
そう言った後。
「ユメノは、ユメの事が好きでしょう?」
「まあ、主ですから」
「でも、それ以上に思っているように見えるのは、私だけではないと思うよ」
「……」
ユメノはだまった。
「自分にウソつくのって悲しくないの?」
ユメノは顔をゆがめ、いなくなってしまった。それから、ユメノと話す事は出来なくなってしまった。
「また、ユメノに逃げられた」
「ジュリア様も、もう放っておきなよ」
チャニにそう言われて、あきらめて、三か月が過ぎた。




