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プロローグ
夢が意思を持つ、そんなことが起こるようになったのは、何千年ほど前、そして、今に続く。
すべての夢が意思を持つわけではなく、意思を持つほどにその人が嫌な夢を見た時のみだけ意思を持つのである。
悪夢が意思を持ち、生き物と化した時、それは、その人の悪夢契約とされる。その悪夢の事を俗に『ナイトメアサーバント』と言う。
もし、『ナイトメアサーバント』と間違えてでも契約をしてしまうと、一生眠り続ける事になる。そして、それを救える者は、『ナイトメアクライアント』と呼ばれる。契約者を自分に代え、『ナイトメアサーバント』を自分の物にして、飼う者だけだ。
『ナイトメアクライアント』は、この世に五人しかいない、東西南北に一人ずつと中央に一人だけである。
そんな『ナイトメアクライアント』の一人である、東のクライアントのジュリア・マロルが仕事に行くようです。