22/26
結婚
僕らは高校を卒業した。
僕は出席日数が足りなかったから、中退ってことになるかな?
そして僕らは、婚姻届にサインして、市役所に渡した。
その足で、写真館に行った。
結婚式は、体に負担が大きすぎるから駄目だと言われた。
だから、もうちょっと体調がよくなったらって、新たな約束が出来た。
写真館に着くと、最後まで僕らの結婚に反対していた、僕の母さんと鈴香のお母さんがいた。
「はい。これ鈴香ちゃんに渡そうと思って‥」そう言って僕の母さんが鈴香に渡したのは、キラキラしたネックレスだった。
「えっいいんですか?」
「うん。翔のお嫁さんに渡そうと思ってたから…」
「ありがとうございます。」鈴香の目にも、母さんの目にも、涙が溢れていた。
「翔君。これ‥」鈴香のお母さんが、僕にネクタイを渡した。
「お父さんが翔君に渡せって言うもんだから…」
「ありがとうございます」鈴香のお父さんの気持ちが嬉しくて、涙が止まらなかった。すると母さんが、
「2人とも、涙を拭かないと、写真が撮れないわよ」って言って笑った。




