僕の父さん
「僕、鈴香と結婚するから、元気でね」と旅行中の両親に メールした。
3日後、鈴香と話していたら、僕の両親が、見舞いにきた。
「翔?そんな勝手なこと許さないから」僕の病室にきたとたん、母さんが怒鳴った。
「なに?僕がいなくなった方が母さんたちいいんじゃない?」
「そんな訳ないじゃない。私、翔の親よ?」
「なんだよ。こんな時だけ親面して…うざいんだよ。ハアハア」声を荒げたせいで、息が荒くなった。
「翔?大丈夫?」鈴香が心配そうに聞いてきた。
「うん‥大‥丈夫。」
「翔。翔がなんと言おうが、母さんたちは反対だからね」
「なんでだよ。僕の人生くらい僕にきめさせろ!」
「翔?そんなに鈴香ちゃんと結婚したいのか?」父さんが僕に聞いた。
「あぁもちろん」
「ごめんな」父さんがいきなり泣き出した。
「父さんたち仕事ばっかりで、翔の見舞いもあんまり来れなくて。その中で鈴香ちゃんのこと好きになったんだよな」
「そんな翔の決めたことを、父さんたちが反対出来る訳ないよな」
「父さんたちが出来なかったことを、鈴香ちゃんに託していいかな?」
父さんの考えを、初めて聞けた。
なんだかんだ言って、父さんは僕の親だった。
そんな父さんの考えを聞いて、母さんも、
「しょうがないわね」って僕らの結婚に賛成してくれた。




