両親の見舞い
僕の病気はよくなっていたはずなのに、最近は軽い発作が続いて、僕はぐったりしていた。
鈴香が学校帰りに病室にきてくれるけど、全く話せない日々が続いた。
そんな日々が続いているなか、僕らは、3年生になった。
そして、半年がたった。
僕は、ベッドから起き上がれるくらいにはなった。
そんなある日、いきなり両親が見舞いにきた。僕ははっきり言って、両親が嫌いだ。
「翔?大丈夫なの?」母さんが僕に聞いた。
「大丈夫だから、帰って」
「親に向かってその態度はなんだ」と父さんが言ったけど、僕に言わせれば、僕が発作を起こしても見舞いにすら来ず、電話で確認するだけだ。
仕事仕事で、僕に構ったことなんか全然ない。暇があれば、母さんと旅行だ。
そんな人が、僕の親な訳がない。
「なんなんだよ。じゃまだから帰れって…ハァハァ」
ベッドから起き上がった状態で声を荒げたから、息が上がってしまった。
「ちょっと翔?大丈夫?」
「大丈夫だから…この‥くらい‥ハァハァ」胸も痛くなってきて、全然大丈夫じゃなくなった。
「おい。翔?ナースコール押すか?」
「いい。だから帰れ!!ゴホゴホハァハァ」さすがに大きな声を出すのはまずかった。
両親を前に、僕の意識はなくなった。




