08
夕食は僕の好きなハンバーグだった。ゆっくりご飯を食べお風呂に入る。
やっぱり年齢高そうな人が多かったな。VRMMOは年齢層が高いプレイヤーが多いと落ち着いた雰囲気って聞いたけどそうでも無かったよな。結構、睨まれた気がする。
とりあえず友達作りたいんだけど自分から話しかけるの怖いしその内、何か良い出会いがあるかな。智美姉ちゃんもスタート時はソロの方が良いって言ってたしな。ボッチは嫌だけど変な人とかかわるのも怖いし、まあゆっくり考えよう。
風呂から上がり居間でテレビを見ながら携帯端末でステータスをチェックした。
レベルは八に上がってスキルも増えていた。 神々の祝福 幸運 交渉:○ 見習い魔術師:三 採取:一 杖:一 錬金術:一
あとボーナスポインって自分で振るステータスのポイントだったよな。何に振ればいいんだろ?
@MIKIでスキルについて調べる事にする。
職によって振るポイントが変わって来るのか。まだどんな職業になるか決めてないからなーどうしよう。
神々の祝福、神々の幸運は@MIKIに乗って居なかった。マイページの説明では……
神々の祝福 パーティメンバーの能力アップ デスペナルティ無し 経験値プラス十パーセント
神々の幸運 レアドロップ率アップ すべての生産系効率プラス十パーセント 生産の大成功率アップ
うーん、いつ手に入ったんだろ、結構高性能だな。
ポイントを振る為に先に職業決めなないとだめだよな~今は魔法使いっぽいけどうしよ。
βテスト情報で変更有りるかも知れませんて書いてたけど近接、遠距離職、魔法使い、中途半端な勇者、生産職で大体振り方が変わる様。僕としては色々したいから特化とか無理なんだよね。
明日は休日なので夜更かししても大丈夫なのでもう一度ログインする事にした。
ドリオンの世界の一日はリアル時間の三十分。例外はドリオンちゃんねる放送時間でリアル時間とゲーム内時間が同じ速度になる。
ログインするとさらにプレイヤーが増えていた現実時間の夜の九時前で帰宅した社会人さんが次々にログインしてきているのだろう。
そうそう、@MIKIで調べたらガラス瓶は砂から錬金術で作れるようだ。砂は採掘のスキルで取れるらしく、これも採取と同じ様な感じでスコップやツルハシで掘りまくるとスキル習得するらしい。重さがあるので運ぶ手段が必要だと補足に書かれていた。
人混みの中、スコップかツルハシを買いに道具屋にやって来た。
「すみません、スコップかツルハシを下さい」丁度、カウンターが開いていたので僕は店員に話しかけた。
「両方、一つ二百五十ゼニーに為ります。お客さんお金が足らないようですね」店員が答える。
そうだった。お金を使い果たしたんだった……
「これを買い取って下さい」僕はそい言って狩りで手に入れていた素材を売り払い、そのお金でツルハシを購入した。
ツルハシを持って僕は意気揚々と街を出てフィールドに移動した。適当に地面を掘っては土や石ころ、ミミズなどを拾う。
【スキル習得:採掘】
草を抜いて採取を習得した時と同じ様に地面や岩などキラキラと光り始めた。その後は光る所をどんどん移動しながら掘るが砂っぽいものは全くでない。
掘っても掘っても出ないのであきらめて街に戻り採掘した品々を鑑定して貰う。未鑑定が取れただけで見た目道理、土、石ころ、ミミズであった。そのまま売り払おうとしたが土と石ころが一ゼニー、ミミズが五十ゼニーと安くて余り儲けにはならなかった。
懐の寂しさを噛み締め僕は金策をする事にした。先立つものはやっぱお金だよね。
噴水のあるベンチに座り一息入れながら公式掲示板をチェックする。「初心者Q&Aのお金がたまらないのですが?」を見てみると「冒険者ギルドでクエストを受けましょう」と書いてあった。
そのままですか……僕も大人しくクエストをします……
冒険者ギルドに向い先ほどと同じプチボーア討伐、ラプット討伐、薬草の採取クエストを請けフィールドに出る。
先ほどと同じ方法で光っている草を抜き、湧いたプチボーアやラプットを倒した。人が多かったので少し時間はかかったが作業終了。
……
日が暮れ始めたので街に戻る事にした。歩きながら空を眺める。ゲーム内の夕日はとても綺麗で幻想的だ。
夕暮れに照らされ赤く染まった門をくぐり冒険者ギルドに向った。混みあう受付の列に並び報告を済ませる。
冒険者ギルドを出てホット一息つく。ゲーム開始時のお祭り騒ぎがすごいと言うのは知っていたが実際に体験するのは初めてで「今だけの楽しみ」と言われても実感が中々湧かない。
気を取り直して今度は針とハサミのマークがあるお店に向かった。そこは言わずと知れた裁縫屋さんである。
「すみません。服を修理して貰いたいんですが」僕は店員さんに声をかけた。
ドリオンの世界の装備は徐々に耐久力が減る。戦闘や作業などを行うとさらに耐久力減る速度が加速する。耐久度が減るとその減った原因により違うものの見た目が汚れたり破れたりする。そのため定期的に修理が必要だ。
しかし修理自体も曲者で修理する職人のスキルレベルに応じて出来が違う。スキル熟練者が修理すれば隠しパラメータである最大耐久値はそのままだがスキルの低いものがすると行うと最大耐久値が減少する。運が悪ければ一回で最大耐久値はゼロになり装備が壊れてしまうのだ。
公式にマニュアルではノンプレイキャラクターの職人は平均で成功率七十パーセント。まだ高レベルのお針子さんは居ないだろうから今はノンプレイキャラクターの方が今はいいだろう。
「いらっしゃいませ。装備をこのテーブルに出していただけますか」と店員さんが答えた。
僕は修理希望のヘッドドレス、服、靴を脱ぎテーブルの上に乗せた。
「この三点でよろしいですか。代金は八百四十七ゼニーになります」と店員さんがで言う。
{おねがいします」
待つこと三分……
「完了しました。ありがとうございました。又ご利用お願いします」店員さんは笑顔でそう言った。
戻ってきた服は綺麗に直っており心なしか光っているようにも見える。次はノコギリのマークの看板の木工屋に向かう。
「すみません。杖の修理おねがいします」僕が言いながら杖を店員に手渡す。
「いらっしゃい。これの修理なら百八十ゼニーになるよ」と店員さんが答える。
「お願いします」
待つこと三分……
修理が完了し店員にお礼を言って店を出た。
街の中は時間が経過するにつれ人が増えている。まるでセール中のデパ地下を歩いている気分になる。
修理をしてもらっている間に外はもう暗くなってきており、僕は宿をとることにした。このゲームで宿屋に泊まるのは初めてだ。
空腹や睡眠のパラメータがこのゲームには存在する。一日に最低一食は食べないとヒットポイントが徐々に減り始める。睡眠も睡眠不足になるとスタミナが低下しスタミナがなくなるとヒットポイントが低下し始める。パラメーターだけではなくお腹は減るしまぶたは重たくなる。食う寝るは大事なのだ。
僕が選んで入った宿屋は一階が酒場と食堂が一緒になっており宿泊の場合食事付きで泊まる事もできる。
一階の酒場には大勢のプレイヤーが食事を楽しんでいた。お酒は飲むと本当に酔っ払うのか大声で歌を歌いながら騒いでるおじさんが居る。
宿屋の女将に話しかけ、所持金も少ないので一番値段が安い夕食付きの大部屋をたのん。
今日の宿屋の夕食はラプッド肉のシチューにパン。可もなく不可もなくといった感じだが美味しく頂いた。リアルで食べているかの様な感覚で味も香りも舌触りさえしっかりしていた。
お腹も一杯になったところで二階に上がる。
大部屋は共同部屋で六人泊まれる様になっている。お金やアイテムなどを宿屋で一時保管してもらってそのままベットにもぐりこみ眠りについた。
誤字修正
隙は>好きな
沸いた>湧いた