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「アリスさんの様な可愛い有名人さんと知り合いになれて光栄ッス。アリスさんは運営の方なんですか?」僕になれたのかアブが気軽に聞いてくる。
「運営の手伝いを少ししてるだけで一般プレイヤー」僕がそっけなく答えてやる。
「そうなんですか~。どんな事をされてるんですか?」
「今はドリオンちゃんねるにアシスタントででる位かな」
「おおー。ドリオンちゃんねるって言うと零ちゃんとよく話したりするんですか? 零ちゃんって普段どんな感じなんですか?」
「アーヤ、こいつ黙らせてほしいんだけど? それとアブ、敬語使わなくていいよ」
アリスがヒロと言う事を知らずに敬語で質問攻めにするアブ。
それを笑いながら見るアーヤはすでに笑いすぎで瞳を涙で潤ませながらお腹を抱えている。
「アリスモテモテでよかったね」アーヤは笑いながら言う。
「それはかんべん。僕は普通に女の子が好きだから許して」僕が答える。
道中はアブにゲームの説明やアドバイスしながら遠足に来ている様な感じで移動した。
バートンの街に付くころにはアブも大分為れて騎乗で全力で走りながらでも普通にしゃべれる様になっていた。
とりあえずアブがキモイ、コレは早めに正体をばらす方がいいだろう。
こう言う事があるとキャラが普通に男キャラの方が良かったと感じる。
アブに口説かれたりしたら寒イボでそうだ。
「ここがバートンの街。今実装されてる中で一番大きい街だと思う」
「おおーここがバートン」
「とりあえず、街案内しよう。その後でギルドでクエ受けて少しレベル上げかな。バートン周辺で活動できる位のレベルまで上げてしまおう」
時間もないのでさっさと移動する事にする。
……
……
ブラウンリザード、ラットマン、ワイルドウルフ、ボーアの各種討伐クエを受けて早速、定番のバートン南にアブがモンスターを釣って僕とアーヤがしとめる作戦。
道具屋で購入したダーツをアブが投げてモンスターを釣る。
「アブ、どんどん釣って来て」
プチ兵衛にアブを守る様に指示する。
アブが適当に近くに居るモンスターにダーツを投げつけるとプチ兵衛の強烈な攻撃で一撃でどんどん葬っていく。
ダーツは命中率が高く必ず一のダメージを与えるというアイテムだ。
二人はアブが必死に釣ってるのを見ながら眺めているだけである。
「アーヤ、もうこの辺のモンスター弱くなってきて歯応え無いと思わないか?」
「それはアリスがプチ兵衛で倒してるからだと思うよ。自分で戦闘すると結構忙しいしスキルの事もあるけど慣れるまで時間かかるからコレくらいで良いと思うけど」
「そうなんだや~僕もプチ兵衛抜きで戦ってみようかな」
「それも良いかもね~テイマーは自分で戦わないし爽快感ないって聞くからね~。それに生産系みたいに考えたり工夫したりもそんなに無いからそういう方面でも中途半端って聞くね」
「そうだね~餌与えて声かけてとかブラッシングとかその位かな。戦闘も信愛あがったら徐々に複雑な命令も聞くからする事そんなに無いし応急で回復してあげるくらいかな~」
「でもテイマーじゃなくてモンスターマスターなんだけどね」
「テイマーは聞くけどモンスターマスターって聞かないよね」
「こんどでる公式の攻略本にある程度初期職業は乗ってるらしいから。あっアブが転んだ」
釣って逃げる時にアブが転ぶがプチ兵衛に守られているので危険は全然なかった。
その後もしばらくアブのレベル上げ支援をしプレイ制限時間の少し前バートンに戻りログアウトした。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
修正
ログイン時間の少し前に>プレイ制限時間の少し前




