俺の口癖
─────翌日
開眼
あぁ、昨日は酷い目にあったな。
まっそんなことはどうでもいい、さっさと朝飯を食って学校に投稿だ。
あれ、ない。音楽の教科書…音楽音楽音楽音楽音楽…あら…?
仕方がない、忘れ物にしておこう。時間は………
「ヤバい…!」
急いで家を出る俺。
実は四月朔日 一は一人暮らしをしている。俺は捨て子だった。そう、孤児だ。だから施設に預けられて、それはそれは惨めな生活を送っていた。高校生になってようやく一人暮らしが出来るようになった。生活費は免除してもらっている。そのためにも、俺は人よりも優秀でなくてはならない。本当の家族に会いたくはないのかって?くだらない質問は止してくれ、頭が痛くなる…。
「あいてっ」
考え事をしながら走っていて前を見ていなかったらしい…いや、見ていなかった。
改めて前を見ると、何とも胡散臭い格好をしたイケメンの兄ちゃんがこっちを向いて突っ立っている。青いマントなんか着ちゃってさ。
「お前、四月朔日 一か?」
その表情はまるで死人のように冷たかった。
「そっそうだけど…」
その表情に少し怖じ気づく俺。
「お前、自分が誰だか分かっているのか?」
何を言い出すんだ、俺は
「四月朔日 一だけ」
「違う」
俺の答え終わる前にそいつは言う。
何が違うんだ…?
「確かに俺の名前は施設の人に付けてもらった名前だけど」
「そうだ」
思い当たることを言ってみると、どうやら正解だったらしい。
「お前の、本当の名前は“死神”だ」
………はい?
ポカンとしている俺にそいつは
「ついて来い」
と言い歩き出した
俺は黙ってついて行くことにした。
たどり着いたのは廃業ビルの屋上
「此処から飛び降りろ」
さっきからこいつは…一体何者なんだ。
「さっきから良く分からないことばっかり言っているけど、俺は……!!」
ドンッ
バランスを崩した俺は…
落ちる
あぁ、ここで死ぬのか
落ちる
馬鹿みたいな死に方だな…
落ちる
そういえば、死神は死ぬのか?
落ちる
……どうでもいい。
落ちる
俺は死神じゃあない。
落ちる
じゃあ、死ぬのか?
落ちる
ま、仕方がない。
落ちる
………いや、仕方がなくない…。
落ちる
落ちる
墜ちた。