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夏休み大好き
私がそう言うと、彼は柄にもなく笑った。
夏休みの本当の良さって知ってるか
そんなの…朝、毎日起きなくていいからでしょ
そんなことを言ったらまた笑われそうな気がして、私は何も言えなかった。
終わることだ
…終わる?
彼の言葉が理解できなくて、私は多分、露骨に顔を歪めた。あぁ、こんな顔見せたくはないのに。
永遠の夏休みなんてないだろ? いつかは終わる、このゆっくりとした時間とやがては別れなければならない、そう知っているから、心から楽しい
なる…ほど
私は柄にもなく感動してしまって、言葉を失った。
あぁ、でも私、夏休みはやっぱり嫌い
なんだよお前、考えがコロコロ変わるやつだな
だって、会えなくなるでしょ、
先生
何だ?
夏休みも学校くる?
たまには
やっぱり好きかも
それから彼は呆れた顔をして、少し頬を緩めた。
会いに来ていい? とは聞けなかったけれど。
先生、好きよ
はいはい、あと少しだ、もうすぐで夏が来る
きっと私は、期待に胸を膨らませて。
この、扉を開くんだ。
実際に話した言葉は段落を下げています
気分です。きまぐれです。